04
名乗らねば猫と呼ぶぞ、といわれてしまった。
これがツンデレ、というものだろうか・・・。
元親から聞いていた人とは大分印象が違う気がするのは私の気のせいだろうか・・・。
気まずいのは・・・嫌だからいいや。
『田沼弥月といいます。』
「貴様には姓があるのか。」
『一応、ですが』
でも、うん。
ちょっと言いたい事をズバズバと言うというだけで、いい人だとは思うのだけれど・・・
だって、銃預かっててくれていたし・・・
いや、所詮私は捨て駒だろうけれど・・・。
『毛利様は何故、あの戦をやったのですか?』
けれど、フッと疑問に思ってしまったことを、思わず聞いた。
実のところ、元親から彼の性格を聞いたときに疑問に思ったのだ。
毛利元就
安芸を治める主
冷徹非道
兵は捨て駒であり、ただの道具。
そして
竹中半兵衛に負けず劣らずの実力を持つ智将
なのに、あの戦は私の突発的な陣形で優勢に立ててしまった。
そんなの、おかしい。
「・・・貴様、大谷から聞いていないのか?」
『私は兵士であり刑部さんの補佐でありますが、所詮は軍医の一人ですから。』
「・・・ほぅ・・・?」
けれど、どうやら刑部さんが関係しているらしい。
まぁ、こうやって新しい人と話すきっかけが出来たし、いいのかな・・・って思うのは思うのだけれど・・・
ただ、最後ににやり、っと含み笑いをした毛利様の意は読み取れない。
「ならば、我の策に手を貸せ。」
『・・・はい?』
「貴様はよく頭が回るようだからな。
理想の捨て駒よ」
『・・・』
これは喜んでいいのか、落ち込んだらいいのか・・・
よく分からないのだが・・・
*-*真之同盟*-*
まだ戦は始まらない
執筆日 20130319
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