颯の頭を優しく撫でる。未だ足を引きずっているがしばらくすればいつものように走れると思う。

誰に似たのか、颯は丈夫で多少気は荒いがなれた人間にはすごく人懐っこい。たまに元気がよすぎて暴走するが、小十郎は貴女様のようですよ、なんて笑うし・・・
しつれいな、



「梵、義姫様が呼んでるよ。」
『あぁわかった。お前も行くんだからな、』
「もっちろん!義姫様のお茶菓子は本当においしいもんね!」


っていうか最近、最上に居るのが当たり前になってきている気がするが、そろそろ奥州に戻って執務しねぇと・・・なんて小さく呟けば成実からは「政宗は仕事中毒だね、そのうち倒れるよ」なんていわれた。

そんなつもりはさらさらない、ただ、民が困るのを見たくないだけだ。
私にとって人の笑顔が一番の宝なんだから。


「でもさ、本当梵は大分丸くなったよね、」
『Ah?いきなりなんだよ。』
「だってほら、俺は梵のちっさいときをしってるからそう思うんだ。あの頃の梵はすぐに消えちゃいそうで怖かったから。」


でもやっぱり一番なのは、家族。
何人殺したかわからない血塗れた手が、届かないほどに綺麗な家族。本当、きっと私は殺しすぎてる。

地獄に落ちるのは100も承知。ただ、人が幸せになれば良いと思って殺して、その殺した人間の幸せを奪っているだけ、だから、そのぶん幸せを返さなくてはいけないと思う、今日この頃だ;。



「今日はなんの茶菓子だろうね!」
『さぁな、・・・つーかお前はいい加減甘味から卒業しろ、』
「え、俺から主食を奪うの?」
『・・・お前の将来がかなり心配だ、』


・・・って言うかこの時代から糖尿病ってあったよな、普通に、すっごい不安になって来たんだが・・・



執筆日 20130815



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