*-*Side Keiji*-*


「どの場所も、天下取りに余念がないってことかねぇ?」
「ききぃ?」


京都で今結構話題になっている奥州の独眼竜。
それはそれは見目麗しい武将さんが奥州を始め、一揆を起こした農民やら最北端である南部・・・すぐとなりである結構昔から仲が悪かった最上までも同盟して統一したって話しだ。

これは確かじゃないけど、西海・・・四国の長曾我部とも交流があるって聞いたことがあるが、これはたぶんない、

だって奥州と四国はすっげぇ離れてるし・・・

まぁ、そんなこんなでいつも京都に出ているみたいにちょいと奥州まで来たんだ・
どうせ荒れた政治をして民を困らせてるんだろ?って思って。

今、天下に最も近い織田信長はそういう政治だし、
なによりも戦闘狂で、火の海にするまで戦をやめない。

独眼竜って呼ばれてるぐらいなら、それぐらいするんじゃないかって・・・思わず思ってしまった。

そんな、俺が恥ずかしいと思うよ










「へぇ、じゃあアンタはそのためにはるばる来たんだね。」
「うん、加賀は今年不作でね、独眼竜にどうすればうまく米や野菜が作れるか聞きに来たんだ。」


武田から上杉、それから奥州へと入れば言われた言葉。
ちぃと旅の疲れを癒そうと茶屋に入ってそれから此処の名物を聞いたら三日月饅頭って言われて驚いた。

それに、国主自ら提案した甘味で若干南蛮の文化を取り入れたもの。
きらきらした水羊羹みたいなそれを食べてみれば凄く甘くて…


「(こんな甘いの… どうやって作るんだ・・・?)」


こんなものを奥州の民は普通に食べて暮らしてる。
笑顔で、戦もなく・・・

少し町を歩けば奥州の色である蒼が目立つ、どの店もかならず蒼か金色の金色を主張し、さっそく愛されてる国主だと知る。
なんか、俺馬鹿みたいだ。


「(こんなに人が笑顔で、笑いあってるのに織田信長みたいな暴君じゃないかって疑うなんて・・・)」


本当、情けない



執筆日 20130815





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