『一揆?』
「はい、なんでも重税に耐えられなくなった農民達が起こそうとしているとか。」


あの戦から、早2年。私ももう19になり、伊達を正式についで東北を統一。

初代仙台大名となった。まぁ、私が目指しているのは天下。
まだまだ、先は長いけれど・・・

だが・・北っつーことは・・南部領の近くっつーことか・・・ちぃっと厄介なことになりそうだが・・・。


『まだ、あっちは統一したばっかだしな・・・』


南部領付近はつい最近伊達の傘下におさめたばっか。そんなこと言ってられないのは確かだ。今、母上が兄のいる最上へと成実は南部領へと足を運んでいる。


それはすべて、北を統べるためのこと・・・民を平和にする為に・・・

犠牲は払った。もう手からすべり落とさない。

母上は小次郎のことを悔いた。悔いてはいたが、「俺」のことは攻めないでいた。

むしろ、主を守った誇り高き息子だと・・・それからこれは貴方の課題ですよ、と・・・


「政宗様、少々お休みになられた方が、」
『No、もう少しで終る。 だからもう少しだけ・・・』


此処だけじゃダメだ。
もっともっと、民が平和で豊かに暮らせなくちゃ意味がない。


『小十郎、黒頭巾を成実の元へ向かわせて状況を探らせろ、 状況がわかりしだいすぐに合流して一揆を鎮圧する、』
「政宗様」
『Don't Worry、ちゃんと休むって』


鎮圧。言葉だけでは恐ろしいかもしれない。

だが、一揆を起こされたとしても、それは私への不満だ。そんな民の声を、私は聞きたい。何よりも、民の笑顔が見たい、

苦しむ姿は、血に濡れる姿は、もう見たくない、たくさんだ・・・


『(私の目だって・・・)』


戦による厄病。最近思い出したがこの病気はおそらく天然痘、感染病の一種、
つまり、私の元まで届くぐらい衛生面がまずかったということだ。そうだ、医療面も考えなくちゃな・・・


「・・・政宗様」
『おっと、わりぃわりぃ、しっかりと休むぜ、』
「信用できませんね、」
『ワォ、家臣に信用されてねぇ』


なんて、思ってたのに小十郎された相変わらず鋭い奴だ。
別に、少し寝なくたって平気なんだが・・・まぁ、倒れたあとにゃ遅いってわかってるけどよ。


『小十郎、お前もしっかり寝ろよ』
「・・・は、」


お前も私に付き合って寝てないってことを知ってる。



執筆日 20130718



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