カキンッカンッ


木刀が重なり合い、そのまま向かってきた刃先を弾き飛ばす。
小さく「うわっ」と驚いた声が聞こえたが、関係はない

そのまま一歩踏み込んで刃先を打ち合っていた相手の目の前でとめる。




『一回死んだぞ、小次郎。』
「っ・・・・」
『ま、筋はいいけどな。』


からんっと近くに落ちた木刀を見ながら地面にしりもちをついている小次郎に笑いかける。そうすれば、悔しそうな顔をしたけれど、でもすぐに木刀をまた持って「もう一回!」と私に言った。良いことだ、強くなるのは


『いいけど、ちょっと休憩にしよう。豆つぶれて血が出てる。』
「だ、だって。」
『怪我してる相手には手加減しかしねぇぜ?』
「わかりました・・・。」


ただ、急ぎすぎはいけない自滅の道を歩むだけだと思ってはいる。
一番は、自分らしく自分の力を知りながら進むことだ。


『ほら、朝に茶菓子を作った。 食べようぜ。』
「姉上は料理も出来るのですか!」
『当たり前だろ、You see?』
「っ凄い!凄いです!!」


ぱふっと飛びついてきた小次郎に苦笑いする
本当、こいつは犬みたいだ。



でも、知っていた。




私は、予感していた。




幸せは長く続かないことを




執筆日 20130622



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