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ろくひきめ


スマホの待ち受け画面を見て笑っていつもの通学路を歩く。朝練?えへへ、寝坊しちゃったC!

でも、今日もいつもどうりに時間が進むんだ。
いつもどうり、朝練にでなかったから跡部に怒られて、でもお昼はみんなでカフェで食べて、午後はボレーの練習しながらお昼寝して、いつもどうり亮の自転車の後ろに乗せてもらって帰る

きっといつもと同じ。

…はずなのに…はずだと思ってたのに。

ねぇ…6匹目の羊さん…これは悪い夢なの?


***   ***   ***


「全く、ゆめは少しは学習せぇ」
『えへへへっ、』
「怒られて喜ぶんはやめといたほうがええで。」
『よろこんでないC〜』


朝練は遅刻して結局休んでやっぱり怒られた。
だから木の上でスマホを見てたら、下からゆーしの声が聞こえて、地面へ飛び降りる。それに「あぶないやっちゃなぁ」ってため息をつかれたけど、今私幸せ気分中だからスルーさせてもらう!


『みてみて〜!』


スマホの待ち受け画面をゆーしへ向けた。これはいつもしないこと!それにゆーしは驚いていたけれど見て目を見開いた。

「立海の丸井・・・ってっ!!なんやこれは!!!


映っているのは昨日撮ったプリクラ。朝見てたのと一緒のもの。

私とブン太が写ってるやつ。最初びっくりしたけど、でも嬉しかった



『えへへ、初恋かなったりV』



にこーってわらって自慢!画面の中の私たちも笑っててでこペンで書かれてた「天才的カップルだろぃ?」ってブン太の文字で書かれて、それが最高に幸せだった!

スマホに送られてたとき、即座に抱きついたことは記憶にまだ新しい



「昨日のデートは丸井とやったんやな」
『うん!遊園地行って、いーっぱいいろんなもののったんだよ!』


本当にいろんなものに乗った。一番最後は観覧車に乗ってそしたら、ちょっと眠くなっちゃって、ブン太が寝ても言いよっていうから寝ちゃった。

でも、すぐに目がさめて、目の前にブン太がいなくてびっくりしたら、私のとなりにねてて、辛いだろうと思って、膝枕をしてたらやっぱりぐっすり眠っちゃって一回地上に着いちゃったけど、係員さんが「もう一回行ってきていいよ」とそのままにしてくれた。

その後、ブン太は目を覚ましてびっくりしてたけど、嬉しそうに笑った



「おーい、・・・って何やってんだ忍足」



私を呼びにきたゆーしがあまりにも遅かったからか、亮が呼びに来た。そんな亮にゆーしが迫れば持ち前の反射神経で亮が避ける。


「宍戸っ大変や!!ゆめがっ  俺のゆめがっ」
『ゆーしんじゃないC〜』
「どうしたんだよ。」
『カレシができただけだよ?』


私は昨日のことを思い出してニヤニヤしちゃうけど。ゆーしは私のスマホを持ったままうなってるし、その様子を見て亮はあきれたようにため息を付いた。


『どうせ、立海の丸井だろ?」
『うん!』
「やっとくっついてよかったな」
『うん!ずーーーっと好きだったんだC!』


でも、そう言って私の頭をなでてくれる。
さっすが、私の幼馴染!





それからテニス部員に話が広まるのは本当に早かった。

なにせゆーしがメールで一斉送信。(私にもきたC〜)
でも、お昼になっていつもどおりカフェに集ったとき、皆さまざまな反応。
跡部は今度パーティを開いてくれるって言ってて、がっくんと亮は私を泣かしたらブン太を殴りに行くって、啖呵きってた。
樺地は頭をなでてくれて、滝は「やるね〜」っと笑ってた。

日吉は「自慢はいいですけど、情報を取られるようなバカな真似はしないでくださいね」と少し睨みを聞かせて言ってて、チョタは「ゆめ先輩、良かったですね、」と笑ってくれた。

結局ゆーしもあきらめて今度何かおごってくれるって!


……ただね……



跡部のいとこであって…マネになった彼女はすごい勢いで私を睨んでた。私は気がつかない振りをした。





午後の練習は個人練習だったから自分のドリンクをもって壁打ちできる場所へ行く。

私は持久力がない。パワーもない。

あるのはスピードとこの手首の柔らかさだけ。だからボレーでがんばらないといけない。
それに憧れのブン太の恋人になったんだもん!一緒にペア組みたいC!

痛めないようにちゃんと手首をほぐしてから、柔軟をして、ちゃんと全部の準備を終えてから一度息を吐く

ラケットを取り、ボールをポケットから出した。


空に放り投げて、アンダーで打つ。消えるサーブ

これは私が青学の不二君に負けた技。そのせいで跡部に負担をかけちゃったけど、私をレギュラーから落とさないでくれた。

だからもう負けないように、強くなりたい。
私は皆と比べたらたくさん足りないことがあるから。




「あ、ゆめちゃんみぃつけた」




背筋が凍って、体が強張った。
ボールが私の横を通り過ぎ、そして転がる


『・・・あ・・・』


出せた声は思った以上に喉に突っかかって音にならなかった。視線を向ければやっぱりその子

ニヤッとわらったその顔が本当に怖かった




*崩れた日常*


 《なんの・・・よう・・・?》
 (べっつにぃ、忠告しにきただけだよぉ)
 《なにを・・・》
 (えへへ、あのね。私立海の丸井君、あなたの彼氏が大好きなんだ

 ねぇ、だから


 ブンちゃんと別れて?)








ねぇ・・・6匹目の羊さん・・・



(一週間だけだからねぇ、それ以上は待たないよぉ)



どうして・・・いじわるするの・・・?





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