暗い夜道の中、馬を爆走させる。
疾風の足も、もう全快のようで安心した。
また、怪我をさせたくは無いが・・疾風は思いっきり走り回りたくて仕方ないようだ。

その様子に苦笑いしてしまう。
まぁ、元気なのは良いことだから



今向かってるのは黒頭巾たちの情報でこれから戦がある川中島。
甲斐の虎…武田信玄。

対するは毘沙門天の生まれ変わりとされる上杉謙信。

因縁の対決に水を差すつもりはないが…こっちとて少しずつでも和解してくれる人間が必要でね。


まぁ、北の統一以来間者はちょくちょく見つかるわ、成実が襲撃されるわ、警戒されまくってるのはわかってるからもしかしたらもう向かっているのはばれているかもしれない。



「政宗様・・・・」

『Ah? どした、小十郎』



なんて、考えていたら少し後ろにいる小十郎から声がかかった
視線を後ろにやって小十郎の姿を捕らえれば、何か考えがあるようだ。

少し間が空き、


「全軍を止めて、今一度妻女山へ斥候を出しましょう」
『なに?』
「不穏です。 まるで我々を待ち受けているような」


小十郎の口から、言われたのはその言葉だった。
不穏・・・なあ。まぁ、小十郎の言うとおりだ。

周りは戦前とはいえないほど静かで・・・だがそんなの、何時の戦だってそうだろう・・・。口元を吊り上げる。

奥州の竜は・・


『・・フフ、上等、こんだけ派手に動いていたら気づかれてもおかしくは無い。』
「それでは」
『Yes、奇襲じゃない。』


止まりはしない。味方を盾になんてしない

もし斥候を出したとして、そいつらが怪我を負ったら意味が無い。引き返したところでその道中何かあっても意味が無い。
私が考え付くことはそれぐらいだ


『だけど、問題はないだろ、続け、小十郎』


疾風の腹を蹴れば一気にスピードが上がる。
後ろで引き止めるようなそんな感じがあったが、総無視だ。きっと、小十郎なら分かってくれる。



執筆日 20130816

prev next
((
×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -