長篠・設楽原での戦いの後、政宗と共に甲斐・武田に身を寄せていた伊達軍を思わぬ災厄が襲った。

戦国の梟雄・松永弾正久秀が、伊達の家臣たちを人質に、政宗の六爪こと六の刀と、武田の家宝・楯無鎧を差し出すことを要求してきたのである。


「一人減ったら一人足す…」

「二人減ったら二人足す…」

「三人減ったら、それで終わりだ…」


シャラン、シャラン、
月の光が写し出す陰は、三つへと増え…
男の前に立ちはだかる


松永の待ちうける大仏殿跡へと、単身向かう片倉小十郎。
そしてそれを、義憤に燃える真田幸村が追っていた……


シャラン、シャラン

シャランシャラン、




半壊状態の伽藍
ほとんど壊れたそこに、その男はいた。



「フッフフフ…」



男の頭上。
柱のみ残る建物の上方に、ぐったりと縛り付けられている3人の蒼


喜劇の幕は末に上がった。

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