障子をあけ放った私に集まる視線。
特に小十郎は、目を見開いて驚いていた。



「政宗様…」

『何も言うな、治療された時点で女だってことはばれてんだろ、』



そして低い声で言い放った小十郎に笑っておく。
おそらくかなり負担をかけてしまった。

昔のことを思い出して、笑ってしまう。

でも、そんなことはいいんだ。




『真田、私の馬はどこだ、』




私は、小十郎を許しはしない、
真田に視線を向けてそういえば、後ろから驚いたように私のことを呼んだが、関係はない




『Not to worry
 人質に取られた連中を取り戻せばいいだけの話。

 私が行って、そいつらを助ける。
 その手紙をよこせ、小十郎。』




そして、言い放った。
手を差出、その手紙をよこせと。

今までの小十郎だったら、素直に差し出した。

だが・・・





ビリ…



『!』



目の前で破られていく紙。
ひらひらと紙切れとなって落ちていく。

それに眉を寄せれば、静かに刀に手を伸ばした



「行かせるわけにはゆきませぬ。」

『…小十郎…』



刀を見て、そして小十郎の顔を見れば静かな怒りをはらんでいた。




「か、片倉様…!?」



そして横から文七郎の戸惑いの声がかけられるが、そんなことは関係ない。

小十郎が…小十郎が…




『私に、刀を向けるの…?』





そんなこと、いままではじめてで…



「家臣は大事…
 しかしながら一番は貴女様のお体」

『だったら…』



言葉を紡ぐ、
しかし、静かに小十郎は首を振りそして…刀を抜いた。




「片倉殿!?」

「何にも恐れず…いついかなる時も、ただ前だけを見て進んでいただく…
その背中はこの小十郎がお守りする。

 そういってはおりましたが…今、手負いの貴女様を出陣させることだけは、この命に代えても…」

『私が、けがをしてるからってその辺の武将に負けるとでも?』




その行動に目を見開いた幸村と、
そして平然としている小十郎。

私の言葉に、細められる瞳。




「今のあなた様は、魔王と明智のことで気が立っていらっしゃる。
 なおさら危険です。」

『…そうかよ…っ』




あぁ、そんなにも・・・






私は信用ないのね



執筆日 20140203

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