*-*Side Sasuke*-*



「連れてきたよ、」



血まみれの独眼竜を抱えて馬に乗ってきた片倉の旦那には驚いた。
でも、その後ろには真田の旦那がいて、あわてたように「女の医者を!」というもんだから驚いた。

女の医者ってとこがまず意味わかんないけど、でも納得した。



「まさか、北の双竜の片割れが女の子だったなんてね、」



俺様が連れてきた医者が伊達のくノ一と一緒の部屋に入ったのを見て、いった。
笑いながら言ったのに、ぎろりとにらまれてまたへらへらわらう。

怖い怖い…


でも、事実、だよな。

だから、片倉の旦那はくノ一を仕せたんだ。



「女だろうが、男だろうが、奥州筆頭伊達政宗はあの方一人だ」



まぁ、片倉の旦那が言ったことはすごい理解できるよ。
俺様だって男だって女だって旦那についていくって決めてるから。



「まぁ、死ぬことは許さないよ。
 今死なれちゃこれからいろいろ大変だからね」

「…」



それに、おそらく大丈夫。

奥州には劣るけど武田だって医療は進んでる。
あの女医者だって武田では有名だ。



でも、一番不安なのはこの人のはずで




「ねぇ。片倉の旦那。
 あんたがしっかりしなくちゃダメなんだからね」




竜の旦那、

いや、奥州の姫様がこんなところでくたばるはずがない。
あの人は、もっともっとつらいことからずっと耐えてきてるから



だから、きっと大丈夫




執筆日 20131029

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