開けた場所。
交じり合う、3つの旗。

赤、黄、空よりも薄い青
あの中に、見える炎は・・・真田のものだろうか・・・



「武田と上杉を徳川が阻んでおります。」

『小競り合い。
 魔王をぶっ倒したら、取って返してなだれ込む

 信濃ごと頂くぜ
 どうだ?』



そんな、結構これからの話をしているのに後ろじゃ「三つ葉葵だ。俺持ってねぇんだよなぁ」「あとあと! 先に織田をぶっ潰すんだからよ!」なんてほのぼのした会話が繰り広げられている。

三つ葉葵・・・。

徳川の旗か、
そういえばまだ一度も戦ったことは無かったな。



「・・・甲斐の虎にも説得ならずか・・・」



そして、小さく聞こえたその言葉に静かに目をほそめるが、それより先に見えて来た軍。
先頭にいるのは、紅白をイメージさせる。



『っふ、 俺の前に立ちふさがるとは良い度胸だ。
 あんた、誰?』

「括目せよ! 我こそは浅井備前守長政! 
 貴殿を此処から先へ行かせるわけには行かぬ!」

『浅井・・長政?』

「正義の名において・・・・








 貴様を排除する!」



浅井長政という武将の名に、目を細める。
確か織田の妹の婿。
だった気はするが…。


そんなことは関係ない。



「浅井長政
 魔王の義弟
 織田が差し向けたのかもしれませぬ」

『・・・』

「どこから見てる・・・魔王さん・・・」


「!慶次さん?」

「あれっ?慶ちゃん?」

「どこ行くんだよ」

「まさか、トンズラ・・・・!?」


だが、それとは裏腹に驚きの声が後ろから聞こえる。
馬のひづめの音が遠ざかっていき、4人の驚きの声が上がった。

けれど、だんだんと空が暗くなり厚く黒い雲が青空を埋め尽くして行く


後ろで、静かに小十郎が声を上げた。

ゆるりと視線だけ向ければ雷鳴がとどろき、その男が現れる
赤のマントをなびかせて、悠々とたつ、その男が・・

そして、そこに向かう風来坊がいる。



「あの野郎・・・

 前田慶次はお膳立てを終えて本隊へ戻ったもようです。
 織田は我々と武田・上杉をこの長篠で一度にねじ伏せるつもりかと」

『・・・上等、派手なPatryってことでしょ?』




ソレを見て、小十郎が声に怒りを孕ませたがそんなのかんけいない。
風来坊が敵であれ見方であれ、天下は私が治める。



「市、待っていろ。
   そして見ているのだ。

 理の兵たちよ!いざ進め! 悪の軍隊を滅ぼすのだ」



だが、待っていたわけではないが、浅井が覚悟を決めたようでこちらへと馬を走らせる。
「政宗様」と小十郎が私に声をかけたから口元を上げた。



「兵隊どもはおまかせを」

『OK、よろしくな』



小十郎の言葉を聞いて、疾風の腹を蹴る。
そうすれば私の意を感じ取ったらしい疾風は一気にスピードを上げて走り出した。

後ろで感極まった声が聞こえたが、死ぬんじゃねぇぞ、テメェラ


声を上げて、宙へと舞い上がった浅井



『Coolに行こうぜ?』



疾風の背に立ち、刀を抜いて笑みそして同じように飛び上がる。
纏わせるのは蒼


空中で幾度も刀をあわせ、そして地に舞い降りた



『悪くないウォーミングアップだ』



にやりと、笑って見せそしてスッと半歩引いていつもの構えをする



『奥州筆頭・・・伊達政宗・・・





      推して参る!!』




執筆日 20130908

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