*-*Side Yukimura*-*


空が青い。

それはあの伊達政宗のようだと、思ってしまう俺はどういったものなのか…

それほどまでに、あのお方と闘いたいのか…



川中島での武田、上杉の同盟。

互いに騎乗し、中央へと向かうお館様と上杉殿



「本当は誰よりも、おぬしと闘いたいのだがのぅ」

「…おなじく」



そして掲げられるお二人の武器
交わり、小さく音を立てた



「けんこんいってき!
 まおうのきょういをうちはらいばんみんにあすをとりもどし、われらもまたこころおきなくたたかえるそのときまで…!」

「うむ」



上杉殿の声が響く。
それに、お館様はただ一つうなづいただけだったが、武器を下したのちゆるりと上杉殿はこちらを向いた。





「わかきとら、よろしくたのみますよ」

「はっ、上杉殿!」




けれど、闘いたい、
そう思う気持ちは某とて同じ、


また、あの竜と闘いたいのだ。









武田信玄は織田と同盟関係にあり東国の監視役を担う徳川に対し、変節を乞う書状を送り続けた。

戦国最強と謳われる武将、本田忠勝を擁した徳川を味方にできれば、現状における最善の布陣を出すことができるのである


家康の説得なれば、独自に進軍する伊達を先鋒に見立てた対織田の軍略はより強度を得る


だが、説得ならぬ時は、徳川が伊達に兵を割くことを阻止しつつ、これを打ち破る必要がある



それが、お館様が考えていた策だった。

伊達殿はどうなっておるのか…

無事でござろうか…




「(なんて、おなごでもあるまいに)」



それに、あの方はおそらく男だ。

おなごならともかく、俺には男を好きになるなんておかしくなりすぎだ



執筆日 20130906

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