身の丈の程の大きな刀を振り回し、そして駆ける。
これは、「真田幸」を消すために・・・
そして麒麟としてある為に・・・
「麒麟、隙が出来すぎだ。」
『あい、わかっておりまするが、』
「まぁまぁ、三成!
そこは儂等がしっかりと守れば良い話だ!」
『守られるだけは性に合いませぬ故、守られっぱなしは嫌にございまする。』
今、こうして彼等が私の居場所としてあってくれる事が、嬉しくて、
その彼等の役に立ちたいとは思う。
その力が、私にあるかはわからないけれど・・・
でも・・・
『(私が死んだとて・・・)』
悲しむ人は、いない。
家族を棄て、名を棄て、己までも棄て、
もう、誰も「真田幸」が死んでも悲しむ人はいない。
そう、誰も居ない。
首から提げていた笛にソッと指を這わせて握った。
真田の象徴である六文銭の変わりに、今はつけているこれが、いつか・・・記憶にも残らない鉄くずになってしまうのだとおもうと・・
酷く寂しい気もしたが・・・
けれど、これは私の決めた道だから・・・
『(何が起こったとしても・・・もう、
私は揺るがない。)』
*-*名を捨てて*-*
紅の姫君は、
覚悟を決めました
執筆日 20130806