これが、わたしののぞんでいた、ことだった。



暗闇の中で、笑いながら泣いていた。


黒い炎の中で一人の幼い子供を寝かせながら、紅の姫君は笑っていた。


これが、望んでいたことだと、


首にかかる一つの笛を優しくなでていた。




きでんは、それをかなえてくれた。

わたしをきらって、けしさろうとしているのに…




ねぇ、どうしてでござるか?




やわらかい声は、ただ純粋に疑問をつないで、





『私が、ただそうしたいと思っただけだ。
 別に他意などない』




静かに、黒い騎士はいった

けれど、くすくすと笑ったまま、またつぅっと紅の姫は涙を流す




きでんも、できればとおもっているのに、







もうすぐ




もうすぐ





執筆日 20140816



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