想イ輪廻 | ナノ

03


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走って、回って、撃って、駆けた。
手が焼けるように痛い。


引鉄を引くたびに重く、熱くなっていく銃身。
でも、これは豊臣の紋章が入っている。

これは、頂いたもの・・・私がコレからを生きる為に必要なもの・・・

絶対に手を離すわけにはいかない・・・


この手が燃え尽きようとも・・・



「おい! Crezy Cat!! 引け!」

『!伊達 政宗殿?!』

「お前のその手じゃもう駄目だろ!! 陣に戻ってろ!!」



なんて考えていたのに、
割り込むように入って来たのはここにいるはずの無い、伊達政宗。
奥州に戻ったと聞いていたのに・・・なんで・・・


私が撃とうとしていた敵の命が消える。
それを見てたら、ぐいっと手が引かれた。



「・・・ってめぇはCrezy過ぎて痛みもかんじねぇのか!!」

『っ・・離せ・・・っ離して!!』



けれど、手の平を見られて、そう叫ばれてこちらも叫んだ。
これを気に奇襲をかけてくるものはいない。

何故?と思えば小十郎さんが私たちに襲い来る敵をなぎ払っていた。



「いいか、お前が一人落ちるだけで、豊臣が傾くとは思えねぇ。
 だが、ここにいる単なる一般兵でも、お前みたいに弱ってる女は簡単にやれる!」

『っ』

「総大将だってな、ガキの放った矢一本で逝っちまうほど簡単な命なんだよ。」




お前は、まだ生きたいだろ。









そういわれた。


伊達政宗の言っている言葉の半分意味がわかって、半分分からなかった。


確かにまだ生きていたいけれど・・・




でも、矢一本で死ぬって・・・




『(だったら・・・)』



肩からかかっているライフルに視線が向く。

この中には、念のために入れておいた備え付けのスコープが入っているはずだ・・・

射程距離は、おそらく足りる。


だったら・・・



『っ政宗殿助言、感謝いたす。
 石田様に、別位置から大将首を狙うと伝えてください!』

「おい!!」





そうだ、


私は、もともと・・・ 









遠距離射撃が得意だったじゃないか






執筆日 20130302


 
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