「幸村」

「なんだい？真田」

「なぜみょうじが来ておらんのだ」

「それはこっちが聞きたいよ。」

真田は分かりきっていることを
聞いてくるからうるさいんだよ
本当に腹が立つ。

「精市」

「なに」

「お前はあいつ宛への手紙を
　すべて捨てているんだよな？」

「そうだけど」

「中身はよんでいるのか？」

蓮二ナイスだよ。
俺はまったく気付いてなかった


「今日の分は読んでいなかったよ」

そう言って俺はすぐに部室に向かった。

「あ、部長！」

「なにワカメ」

「ワカメじゃないっス！」

「俺は用事が・・・」

「あの今日なまえ先輩みたんス！」

「は？どこで？」

「部活行くときに正門からかえってました」

「へぇ」

「ね、ジャッカル先輩！」

「あ・・あぁ。」

「私もみましたよ」

「柳生も？」

「俺もみた」

「なんで皆聞かなかったの」

「大方、あいつが帰るんじゃったら
　幸村には報告済みと皆思っとったんじゃろ」

「俺は報告なんて一つも貰ってないけど」

ただ言えるとしたら
あいつは今日走って教室から
飛び出してたくらいかな。

あ、それって俺になんか
言われるのが嫌だったからか

「なまえ先輩ってやっぱ部活嫌いなんスかね？」

「あいつはやめれんのじゃよ赤也」

「どういうことっスか?!」

「世の中には知らなくてもいいことも
　たくさんあるんですよ切原くん」

「なまえのことだし眠かったんだろィ」

「そんな理由で休んだら幸村に
　殺されることくらいあいつなら分かってただろ」

「ジャッカルのクセにいいこと言うな」

「一言余計だぜ・・・」


「とりあえず皆先に走ってなよ」

「幸村くんはどうするんですか？」

「俺は少し用事があるから」


「じゃあ俺もその用事とやらを手伝うとするかのぅ」

「あぁ、そうしてくれると助かるよ」


きっとなまえがサボったのには
大きなわけがあると思う。
サボるとかまず俺が許さないし。
ほんとに理由がしょうもなかったら
殺してやろうかなむかつくから。