なんたって純情 | ナノ

はじまりなんて所詮そんなもの


ルキ サイド


「ルキ?」
「あい?」

はじめましてみなさまーこんにちは。
えーこんにちは。え、あーこんにちはって二回言っちゃった。


どーでもいっか。

えーこんにちは!
ルキと言います。

今あたしは、あたしのお兄ちゃんに呼ばれて、お兄ちゃんの目の前にきています。

イルミさんです。
1番年上のお兄ちゃんで、髪がとっても綺麗なんだよー。
目がかわいーの。

「知ってる?キルが母さんとミルキ刺してでていっちゃったんだけど」

はい。キルというのはあたしの弟です。
ウチは六人兄弟なんです。
えへー。
あたしとキルはおそろの銀髪なんですよー。


って
「マジすか」
「うん、マジ」

ありゅー。キルは我が家嫌いだからなーそーなると思ったよ。

うーむ、寂しくなるのー。
ちょっとシュン。

「あのさ、ルキって、たしかハンター証もってないよね?」
「もってないよー」
「うん。丁度良いから一緒に取りにいかない?」
「おおー!いいね!イルミ兄と一緒!」
「でしょ?」

ハンターかぁ…

一応あたし、念は使えるんだけど、証はもってないんだよねー。

「でも、なんでいきなり?」
「俺が今度の仕事で必要なんだ」
「はー…大変ですな」

イルミ兄は仕事熱心です。
えらい。

と思ったのであたしは、背伸びをしてイルミの頭をなでてあげた。

「よしよし、がんばるねー」

こころなしかイルミはにこにこしだした。やったね!

「一緒に行ってくれる?」
「うん、いいよー。とーとに言ってくるね。」


ちなみにとーととはお父さまのことだよ。
お母さまのことはママって呼んでるけどね。

さー、とーとのとこに行かねば。












イルミ サイド


キルが出て行った。
あいつは前々から反抗的だったから、いずれはこんなときがくるだろうとは思っていたけど、結構早かった。

心配だが、あいつは強いし、とりあえず大丈夫でしょ。


それより、いままでルキの事をいつも独り占めしてたキルが出て行ったんだ。

ルキは唯一の妹で、可愛くて仕方がない
いつもぽやぽやしてる、癒しをくれる存在でもある。


それでも、俺や親父と比べてもなんら遜色ない実力をもっていて、かつてはゾルディックの当主になるはずだったんだ。


この機会にたっぷりといっしょにいたいな。

「ルキ?」
「あい?」

いたいた。なにをしていたのか、庭でフラフラとあるいていた。

「知ってる?キルが母さんとミルキ刺してでていっちゃったんだけど」

最初は、彼女が興味をいだく話題から話さないと。



ルキはおどろいたようで、もともと大きな目を見開いた。
胡桃のような目が、いまにも落っこちてきそうだ。


可愛いなあ。

「マジすか」
「うん、マジ」

すこし、困ったように唇をとがらす。

「あのさ、ルキって、たしかハンター証もってないよね?」
「もってないよー」
「うん。丁度良いから一緒に取りにいかない?」
「おおー!いいね!イルミ兄と一緒!」
「でしょ?」

イルミ兄と一緒

その言葉にぐっときた。
可愛い。
さっきのことなど忘れたかのようにキラキラと目を輝かせる。


でも、ふと思いついたかのように、疑問の表情を浮かべる。

「でも、なんでいきなり?」
「俺が今度の仕事で必要なんだ」
「はー…大変ですな」

これは、本当だ。まあ建前ともいえるね。
暗殺稼業にとって、ハンター証なんてどっちでもいいもん。


「よしよし、がんばるねー」

そうすると、何を思ったのかルキは、低い背で一生懸命背伸びをして、俺の頭を撫でだした。


…可愛い。
「一緒に行ってくれる?」
「うん、いいよー。とーとに言ってくるね。」

そういって、ルキはとてとてと、屋敷の方へ走って行った。


俺は密かに笑みを零した。



まえ つぎ

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