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臨也の体が暗く深い沼に沈む。泥濘るむ底は力を入れれば入れるほど沈み、抜け出せなくなる。もがくように手足をばたつかせてもどろどろと重い水に吸い込まれてしまった。
「っ・・・」
頭まで沈みかける寸前で臨也は跳ね起きた。

「起きたか。丁度良いぜ」
「え?」
寝呆けたままで状況が飲み込めない。何故自宅に静雄がいるのか。
「つうかよ、ローションくらい用意しとけ。使えそうなもんコレしかねぇよ」
静雄の手には蜂蜜のボトルが握られていて、臨也が自分の身体に視線を落とすと服は着ておらず、下半身は蜂蜜に濡れていた。
「テメェ、ケツ使ってなかったのか?キツすぎだ」
静雄の指がアナルに伸び、そのままグチュッと挿れられる。
「ぃ、ぁ・・」
久しぶりに異物を胎内に受け入れる感覚に吐き気がこみ上げる。
「慣らすの時間掛かったぜ」
言いながら指は3本に増やされ内壁を圧迫された。臨也は厭らしい音を立てながら痛みもなく受け入れてる自分の身体にショックを受ける。
「あ、あぁ、ん・・も、や、めて」
感情的な涙を零して訴えるも静雄の耳には届かない。指が引き抜かれ、四つん這いにされて周囲を拡げるように尻を掴まれた。
「変わんねーな」
呼吸に合わせてヒクつくアナルに静雄のペニスが擦りつけられる。
「エロくてうまそうだ」
入り口をつつくように先があてがわれた。
「ぃ、ゃ・・・」
「聞いてねぇ」
「ぐっ、ぁ・・あ・・・っ」
静雄が腰を進めると臨也の意志とは関係なくアナルはペニスを飲み込んだ。指とは比べものにならない圧迫感に息が詰まる。
「ほら、息吐け」
静雄の指が口に入り込み、呼吸を促される。タイミングをみてペニスが最奥まで刺さった。
「色んなヤツ試したけどよ・・やっぱテメェが一番具合イイぜ」
「ふぅ・・はっん、ぁ・はぁ・・・」
色んなヤツという単語に臨也の胸が痛む。そしてここまでされてもまだ好きなのか、と自覚した。
「褒めてんだぜ?喜べよ」
「ひゃっ!い、た・・」
ぐりっと奥を抉られた。
「あぁ。まだ慣れねぇか。じゃあ少し話すっか」
話をしようなんてことに驚いていると、静雄が臨也の腰を掴んだまま座った。
「ふぅ・・・っ」
静雄のペニスが挿ったままで正座のような姿勢になる。完全な座位ではないので苦しくは無いものの、中ほどから浅い部分の圧迫感が増した。
「こんな近くにいるとは思わなかったぜ。奈倉だっけ?ガキ共まで偽名使ってるなんざ想像つかねーしな」
「はは・・・俺もまさか見つかるなんて思わなかったよ」
こんな早くには、と心でつぶやく。
「なんで堕ろさなかったんだ?」
「子供に罪は無いさ。罪は俺の弱さだね」
背後の静雄を殺意の籠もった目で睨む。
「迫力ないぜ?」
「んぅっ!」
仕返しにペニスを深く差し込む。
「子供にはなんて言ったんだよ?」
「っ、母親は、死んだって・・」
「へぇ・・・死んだ、ね。で、テメェが父親ってか?」
「そ、うだよ!誰が信じるんだ、男が母親なんて!」
自分の境遇を改めて突きつけられ涙が零れた。
「母親はテメェだよ。男のくせに妊娠する淫乱だ。アイツらの父親は俺か?」
「ハッ!他に誰がいるのさ。男を犯す物好きなんて」
殴られるのを覚悟して言ったが衝撃は来ず、振り返ると静雄はニヤついていた。

「おい、分かっただろ?コイツがテメーらの母親なんだよ」
静雄がクローゼットに向かって言い放つ。
臨也が理解できずにいると、クローゼットの扉が開いて津軽とデリックが出てきた。二人で手を繋いで泣きそうになるのを堪えている。
「な・・んで・・・」
「っ!おい、あんま締めんなよ。なんだ?ガキに見られながらヤられてーのか」
「ちがっ・・あぁっ!」
否定するより早く、上体を倒され犬のように這い蹲った。

「さ、父親の初仕事だ。テメェらに子作りの手本見せてやるぜ」

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