2*

紛れもない臨也だった。
同じ顔だって分かる。
これがホンモノの臨也だ。
「うわっ!」
思わず抱きしめる。
頭を抱えると、頬にサワサワ毛が触った。臨也の猫耳だ。
「ん」
触れてみると誰の耳よりも滑らかな手触りだ。あまりにも心地よくてふにふにしていたら耳に熱い息がかかった。
「あ、んま触んないで・・・・」
吐息混じりに囁かれて、さっきのサイケの言葉を思い出した。
「静雄が気持ちよさそうにしてるんだから触らせてあげたら?」
六臂が鎖を弄びながらニヤつく。腕の中の臨也は嫌だと首を振った。黒に映える赤い首輪がカチャカチャと金属音を立てる。


「あ、あの!静雄さん、疲れていますか?」
「あ?あー・・少しな」
険悪なムードを割いて桜也が声を掛けてきた。特に疲れてもいなかったが、話題を変えたくて話にノッた。
「じゃあ僕、肩揉みますね!」
俺の背後に回った桜也は楽しそうに肩を揉み始める。
「そうか・・・・では私はジンジャーティーを淹れよう。疲労回復に良く効く。キッチンを借りるぞ」
そう言って日々也は台所へ向かった。どうやら俺を祝うというサイケの言葉は本当だったようだ。それぞれ方法は違うみたいだが。

「しずちゃーん」
寝転がっていたサイケが起き出して臨也と俺の間に無理矢理入ってキスをしてきた。
「ん、おい!やめろよ」
「あれぇ・・・・嫌?」
顎に人差し指をおいて首を傾げるサイケは困った顔をしていた。
「そーじゃねーよ」
「あ!そっか!キスじゃつまんないよね!六臂くん!いざやくん邪魔〜」
「はいはい」
「ぐっ!」
サイケに声を掛けられた六臂が思いっ切り鎖を引いて臨也を引き倒した。臨也が小さく呻いて床へ倒れる。
「大丈夫か?」
「普段しずちゃんと喧嘩してるんだもん。大丈夫だよー」
臨也を抱いていた腕にサイケが入り込む。
「俺はしずちゃんを気持ちよくしてあげるにぇ?」
太股に手を置いてにっこり笑ったサイケに嫌な予感しかしない。その予感は的中して、サイケが俺のズボンのジッパーを下げた。
「そーいうのは、いらねぇ」
「さくやー」
サイケを退かそうとしたら、桜也が俺の二の腕辺りを強く押した。
「ごめんなさい、静雄さん」
背後で申し訳なさそうな声がする。腕を上げようと思っても上がらない。
「なにしたんだ?」
「少しツボを・・・・あ、でも15分もしたら戻ります!」
つまりこの状況からは逃げられないという事だ。
「楽しもうにぇ〜」
脳天気な声でベルトも外されて、とうとう下着から息子を出された。
「うわっ!津軽より大きっ!いっただきまーす」
無邪気なサイケが萎えている俺の股間に顔を埋める。
頭がズキズキしてるのはもう酒のせいだけじゃないとハッキリわかった。




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