出会って10年。付き合い始めて3年。学生時代からずっとアプローチをし続けて、ようやく征ちゃんと男女の関係になれた。

想いが通じあった日の事は今でもよく覚えている。「征ちゃん!私と付き合ったら、絶対良い事があるよ!だから、どう!?」なんて、始めの出会いからもはや何度目か分からない愛の告白を、まるでテレビショッピングさながらのゴリ押しで、何とかYesと返事をもらい、嬉しさのあまり、思わずその場で両手を空に突き上げたまま泣き崩れてしまった。

そう。それは今考えたら、私の人生で一番幸せな瞬間だった。大好きな人に『好き、愛している』と言ってもらえる事の幸せ。その言葉は、世の女子達の流行る気持ちを更に向上させ、はたまた向こう3ヶ月間くらい余裕でウキウキ気分で過ごしていける程の威力。

…だが、私は一番重要な事を忘れていたのだ。

「別れようか」

始まりがあるものには、いつか終わりがある事を。

そして、『赤司征十郎』という人間の本質を。

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