■ ■ ■

「あ、起きましたか?」

「………し、のぶさん…?」

朝の眩しい太陽が、冴えない私を照らすようにジリジリと上空で燃えている。開け放たれた窓の隙間から雀の鳴き声も聞こえていて「あぁ、もう朝か」と冷静にそんな感想を呟いた。視界が開けて一番に目が合ったしのぶさんは今日もニコニコと笑っていて柱を前に何を寝っ転がったままでいるんだ!と意識が冴えて勢いよくその場に起き上がった。

「い"っ…!!」

「あぁ、無理に起き上がらない方が良いですよ。肋骨3本の骨折に、足首の捻挫、おまけに頬にも深い傷がありますからね。重症です」

「げっ…!ほ、本当ですかそれ…」

本当ですよ。そう和やかに微笑んだしのぶさんは笑顔のまま冷静に私の肩をポン!と押した。軽くつつかれた筈なのに一瞬でベッドへと戻された私が、パチパチと2回瞬きを繰り返す。流石柱だというべきか、有無を言わせないその行動に密かに心の中で拍手を贈った。

「暫くの間は、私の元で安静にしていてくださいね」

「はい…すみません」

素直に返事を返して、再び毛布の中へと潜る。まだ少し熱が篭っていたそこは私の眠気を誘い込むには充分な状況だった。ウトウトと瞼を伏せそうになっていると「ではこの薬をこれから3ヶ月間毎日飲んでくださいね」としのぶさんはベッドの端に飲み薬を置く。それを横目で見つめながらも、ふと思い浮かんだある人の話題を口にした。

「しのぶさん、煉獄さんって…」

「今朝お館様に呼ばれて、新たな任務に行かれましたよ」

「えっ!嘘!本当ですかそれ!」

「嘘を言っているように思います?この顔が」

顔は笑っているが目が笑ってない。そんなしのぶさんの圧を感じる笑みに「まさか!思いません!」と即答をした。小鳥の囀りがとても心地良い。窓の隙間から吹き抜ける爽やかな風が私の眠気を徐々に覚ましていく。煉獄さんはもう任務に行ったのか…会いたかったなと肩を落としていると「丁度あなたが完治する予定の3ヶ月後くらいに煉獄さんは戻ってきますよ」としのぶさんがとんでもない発言を口にした。

「さ、3ヶ月…!?私に死ねと仰ってます…!?」

「まぁこればっかりは仕方ないですね。何やら今回の任務は結構な大掛かりみたいですから」

「さ、3ヶ月…!?3ヶ月…」

「もしもしお嬢さん、私の声聞こえていますか?」

馬鹿の一つ覚えみたいに煉獄さんに会えない期間を指折り数える私に、しのぶさんが「大丈夫ですよ、3ヶ月なんてあっという間です」と胸に拳を突き立てて極論を言ってのけた。それはそうなのだが恋する乙女には余りにも長過ぎる期間だ。恋しさが募り募りまくって近日中に死ぬかもしれない。まさかこれも一種の修行なのか?とか、アホな事を考える。

「炭治郎くん達も一緒ですから大丈夫ですよ。そんなに寂しくはならない筈です」

「……えっ!?炭治郎達も!?ですか!」

「えぇ、ほら。横にいますよ」

「!?」

しのぶさんの視線の先を追いかけると、そこには頭に包帯を巻き付けている炭治郎と、その横で「もう俺はダメだ…最期に最愛の妻である禰豆子ちゃんに一目会わせてくれ」と遠い目をしている善逸。そしてその奥には「腹減った!何か食わせろ!」と喚いている伊之助が居た。

「炭治郎ぉお!善逸ぅう!伊之助ぇえ!」

無事で良かった!そう喚きながら隣に居る炭治郎に抱き着こうとしたのだが、しのぶさんに首根っこを掴まれて強制的にベッドに戻された。そんなに細い腕の何処にそんな力があるんですか?と思わず質問をしたくなる程の強い力だ。とりあえず顔は笑っているもののしのぶさんの額には怒りマークが見える。すみません、もう大人しくしときます。

「ナマエ!無事で良かった!」

「うぅっ…炭治郎達も全員無事で本当に良かった…!ごめんねぇ、迷惑を掛けて…!」

おいそれと泣き喚く私に炭治郎は目を細めて優しく微笑んでくれた。私が討伐したのはあの鬼の一体だけだ。残りの鬼を全て始末してくれたのは炭治郎達と煉獄さんなのだろう。本当に感謝してもしききれない。

「ナマエ、煉獄さんは直ぐに戻ってくる!だからその間俺達と一緒に皆んなで機能回復訓練に努めよう!」

「………うん、そうだね!」

「え。俺は嫌だぞ炭治郎。無理無理無理無理!」

「飯!腹減った!何か食いもん持ってこい!」

私達の全く統一感のない発言にしのぶさんはニコニコと隣で笑っていた。3ヶ月…確かに長い事には長いがさっさと怪我を治して訓練に励めばもっと短い期間で煉獄さんの後を追えるかもしれない。即座に考えを改めた私は横に居るしのぶさんに深く頭を下げて「お世話になります!」と強く叫んだ。

「ではとりあえず君達4人は体力の回復に努めてください。あぁ、あとご飯の時間はまだです。つまみ食いでもしたらお仕置きをしますからね」

そう言って、最期に伊之助に釘を刺したしのぶさんは部屋を後にしていった。「あぁっ!?乳もぎとるぞてめぇ!」と叫んでいる伊之助を放置して、窓の隙間から見える太陽をそっと見上げた。今日はとても良い天気になりそうだ。





「カ、カナヲ…!ちょっとタンマ!し、死ぬ…!」

ゼェゼェと荒い息を吐きながら目の前に立っているカナヲに待ったを掛けた。あれから約2ヶ月後の今、早期復帰どころか瀕死状態である私に、カナヲはニコニコと微笑んで言われた通りにそこに立って待ってくれていた。機能回復訓練が始まっておよそ2週間。さっさと回復をして煉獄さんの後を追おう!と意気込んでいたあの頃の私はもういない。あれ、可笑しいな。予定では今頃煉獄さんと2人で鬼をバッタバッタと切りまくっていた筈なのに。

「ナマエさん大丈夫ですか?無理はしないでくださいね!」

「これ、どうぞ!」

「どうぞ!」

「えっ!女神…!?」

ひょこっ!と視界の端に現れた蝶屋敷の3人娘ならぬ、きよちゃん、すみちゃん、なほちゃんの3人が心配そうな表情で私にそっと一房のバナナを手渡してくれた。渡されたバナナを胸に抱えながら「ありがとぉぉお!」とお礼を伝えながら目頭を押さえる。因みに何故バナナをくれたのかは分からない。もしかすると3人娘には私が猿か何かにでも見えているのかもしれない。

「ナマエ!俺にもバナナくれ!腹減った!」

「うっせ!伊之助お前には死んでもやらん!」

「伊之助ワガママを言っちゃダメだ!ナマエは今バナナを食べる事によって消耗した体力を取り戻そうとしているのだから!」

「そんな詳しい説明いらんわぁあああ!」

炭治郎の相変わらず素っ頓狂な発言に目を最大限に見開いて叫ぶように大声でツッコミを入れた。その横でチラチラと私に視線を送っていた善逸が目が合った瞬間に「ウキ?」とか猿の物真似をしてきたのでその後善逸の後ろ姿を全力で追いかけ回した。まぁ結果的にそれが機能回復訓練に繋がったので良しとしよう。

「はー、つっかれた。炭治郎達また強くなってたなぁ…」

訓練が終わって暫くの間、蝶屋敷の縁側から見える夕暮れの景色を1人眺めていた。日輪刀の手入れをしながら見上げた夕方の空は紅く、上空で嬉しそうに飛んでいる鎹鴉も何だかとても神秘的だ。最早末期状態なのかもしれない。空が紅いだけで連想してしまうのは今現在私が逢いたくて堪らない煉獄さんだったから。煉獄さん…元気にしてるかな。今日もさつまいもの味噌汁を啜ってあの天使みたいな寝顔で眠りについているのだろうか。それとも今頃鬼と対峙をして、激しい戦闘の真っ最中だったりするのかな。

「逢いたいなぁ…」

息を吐くように自然と口から溢れ落ちたそれは素直な想いそのものだ。煉獄さんと出逢ってから今日に至るまで基本的にこんなに顔を会わせない日は無かったから余計に寂しさと恋しさが募る。お館様からの直々の命だから完璧に責務を全うするまでは煉獄さんは何があってもここに戻ってくる事はないだろう。頭では分かってはいるが煉獄さんには逢えないという事実にどうしようもない寂しさが私を襲う。

「しっかりしろ自分…!次に煉獄さんに会う日までにもっともっと強くなってなきゃ!」

弱気になっていた自分を何とか奮い立たせて日輪刀を強く握り締めた。陽の光でキラリと光った刀の先には鬼を滅殺するという責務と目標が重くのし掛かっている筈だ。手入れを終えた日輪刀を横に置いて次に鍛錬用の竹刀を手に持つ。こうして鍛錬を続けるその先に繋がる未来は、鬼のいない平和な世界であって欲しい。改めてそう思った。





「お世話になりました!また何か怪我を負った時にはよろしくお願いします!」

あれから1ヶ月後。無事に完全復活を遂げた私は蝶屋敷の玄関口で深々としのぶさんに向かって頭を下げた。「余り無理はしないで下さいね。煉獄さんも心配をしていましたよ」としのぶさんが困ったように笑う。それに元気よく「はい!」と返事を返して久方ぶりに炎柱邸へと足早に向かった。途中、ヒラヒラと目の前を横切った紅葉が地面へと横たわるように舞い落ちていく。帰り道のルートから横に逸れて何かに導かれるように辿り着いたその先には、秋の紅葉シーズン真っ只中ともいえる色鮮やかな木々達で溢れていた。その向こう側には太陽に反射をしてキラキラと光る川が流れていて、川の流水音に小鳥達の囀りが重なり、まるで心が浄化されていくようなとても美しい景色がそこに広がっていた。

「綺麗ー…!」

少し寄り道でもしていこうと、直ぐ様そこに駆け寄り川縁に腰掛けて穏やかな川の流れをぼんやりと眺めていた。炎柱邸の近くにこんなにも素敵な場所があったのか!と1人感動をしながらも、ただただ無言のままそこに小さく頬杖をつく。それからどのくらい時が過ぎていっただろう。秋の冷たい風が私の身体を包み込むように何度も何度も目の前を通り過ぎていった。

『ナマエよ…あの頃、俺の側に居て幸せだったか…?』

あの後、彼はちゃんと成仏をしてくれただろうか。キラキラと光る水面を見つめながらも、1人そんな事を考える。行き先は地獄だとしても、そこで多くの罪を償い、いつかは天国に旅立ってくれたら良いなと1人そんな事を願う。過去と決別をして、前だけを見ろと教えてくれたあの時の煉獄さんは、まるで我が子を想う1人の親のような表情をしていた。きっと今にして思い返してみれば、あの時彼の頸を自分で切らなければ私の今後の鬼殺隊としての行く末が危ないと判断をしての発言だったのだろう。

「早く帰って来ないかなぁー…煉獄さん」

「俺がどうかしたか!」

「えっ!?」

聞こえる筈もないその慣れ親しんだ声にビクっ!と肩を竦ませて「うぇっ!?」とあられもない声が出てしまった。まさか…!とジワリと溢れ出てきた涙を必死に堪えながらも首を曲げて見上げたそこには、いつぞやのように反転した角度で此方に視線を送る煉獄さんが頭上から私の顔を覗き込むようにして立っていた。

「れ、煉獄さん…?」

「うむ、今任務から戻った!先程お館様に任務報告を終えて直ぐに胡蝶の屋敷に向かったら君はもう屋敷から去って行ったと聞かされてな。直ぐに後を追ってたまたまこの景色に心惹かれて訪れたら、ナマエ、君がいた!」

「れ、煉獄さん…っ!」

いつもながらハキハキとした口調でここまでの過程を詳しく説明をしてくれた煉獄さんだけれど、正直それどころではなかった私はボタボタと馬鹿みたいに涙を流すばかりで、煉獄さんの説明は全く頭には入ってこなかった。れ、煉獄さんだ…!本物だ…!生で顔を見れたのはいつぶりだろうか。あぁ、そうか。3ヶ月ぶりなんだっけ。とかそんな事を頭の中でグルグルと考えながらも無事に任務を終えて煉獄さんがここに戻ってきてくれた事実に心から安堵した。

「煉獄さん…!お、お帰りなさい…っ!」

決壊が弾けたように、子供みたいに泣きじゃくる私に煉獄さんは一瞬目を丸くしていたけれど、直ぐに眉を下げて「あぁ、ただいま」と穏やかな声と表情で返事を返してくれた。そのまま流れるようにそっと私の身体を抱き寄せて「逢いたかった」と耳元で囁かれる。

「わ、私も…!死ぬほど煉獄さんに逢いたかったです…!」

「……………」

この3ヶ月間物凄くしんどかったです!そう強く言い放って煉獄さんの背中に廻した腕に力を強く込めた。一向に泣き止まない私に煉獄さんからは何も反応がなくて途端に不安になる。不味い。流石に引かれた?と直ぐに我に戻り「すみません…!つい!」と煉獄さんから離れようとした私の腕を彼は逃がさないとでもいうように前からすかさず掴んで真っ直ぐと私の視線を捉えた。

「ナマエ、前にも一度質問をしたが…あの時俺に伝えてくれた好きとはどういう意味か教えてくれないか?」

「………え?」

真剣な表情で此方を見つめてくる煉獄さんの強い瞳が私を捉えて離さない。掴まれた腕にジンジンと熱が籠っていくのが分かる。心臓がバクバクと早鐘を打ちながらも間抜けな声で返事を返した視線の先には、煉獄さんの強い意志がそこに存在しているようにも見えた。

「ふむ、いや…やはりここは君から答えを聞く前に俺から先に伝えるべきだな」

「……?な、何をですか?」

難しそうな表情で眉を寄せ、腕を組んだ煉獄さんは私の目の前に腰を降ろして少し遠くを見つめていた。川の上流から流れてきた川のせせらぎ音が煉獄さんと私の間を擦り抜けていく。吹き抜けていく風も何かを後押しをするように、穏やかに煉獄さんの羽織を揺らしていた。

「俺は君と初めて出逢った日から今日に至るまで、ナマエ、君に心を惹かれて止まない」

「…………」

「それは師としての立場でもあり、また一人の男としても同等の想いだ」

そう強く、低い声で真っ直ぐと私に向かって想いを口にしてくれた煉獄さんの言葉にまたしても涙が溢れた。何だか今日はやけに泣いてばかりだな。そんな事を頭の隅でぼんやりと考える。けれどもそれ以上に全く予想していなかったこの展開に、追いついていかない感情と嬉しさが一緒くたになって、言葉には出来ない程の感動の渦に包まれた。そのまま目頭を押さえたままぐっと頭を伏せる。

「ナマエ、」

「……っ…はい」

「君も俺と同じ想いならば、此方に顔を向けてくれないか」

そう言って、地面に手をついていた私の両手に煉獄さんの大きくて暖かな手がそっと重なった。まるで宝物に触れるかのように優しく握ってくれた煉獄さんの手の甲に、私の瞳から溢れ落ちた大粒の涙がそこにポタポタと落ちていく。「惹かれて止まない」そう言ってくれた煉獄さんの言葉が反芻して私の心を捉えて離さない。今度こそ誤魔化さず、逃げ出さずに、ありのままに素直な想いを伝えるべきだと心の中でもう一人の自分が強く背中を押す。

「私も…っ、私の方こそ…!初めて出逢った時から煉獄さんに心惹かれています…!」

「……………」

「お慕いしています…っ!ひ、一人の女として…っ」

それは勿論、継子の立場としても同じ想いです…!そう強く主張をしてゆっくりと目の前に居る煉獄さんへと視線を引き上げた。ようやく互いに重なった煉獄さんと私の視線。私の想いに答えてくれたかのように、煉獄さんは眉を下げてとても嬉しそうに笑ってくれた。きっと、いちいち私の答えを聞き返さなくても気付かれていたこの想いを、煉獄さんはいつだって真正面から受け止めてくれて、そしてそれ以上に大切にしてくれた。だからこそ私は煉獄さんに心惹かれたのだろうと、今になって心の底からそう思う。

「好きです…っ…大好きです…!れ、煉獄さんの事が…!」

「……………」

「これからもずっと…きっと私は…っ、死ぬまで煉獄さんの事が大好きで、…!」

我慢していた想いが溢れるように、何度も何度も想いのたけを伝える私の左腕を前から強く引き寄せて、一瞬で頸の裏へと廻ったのは煉獄さんの力強く太い腕だった。そうして一気に重なった唇。煉獄さんの優しい口付けに再び大粒の涙がそこに溢れ落ちる。次第に物足りないとでもいうように、歯列をなぞられてその隙間から侵入してきた煉獄さんの舌に自分の舌を深く絡ませては、はぁ、と互いの熱い吐息が漏れた。

「煉獄さん…っ、」

「…ん?」

「煉獄さん…っ!」

「…………」

ネジが一つ飛んだかのように、煉獄さんの名前を連呼する私の頬に優しく手を添えて、煉獄さんは下から覗き込む形で私の言葉を待ってくれていた。だけれど上手く言葉に出来ない私に気付いたのか、目を細めて優しく微笑んでくれた煉獄さんが再び自分の胸の中に私の身体を納めて力強く抱き締めてくれた。何も言わなくて良い。分かっている。まるでそう言われているかのように思えたその行動は、より一層私の涙腺を崩壊させるには充分だった。

「好きだ」

不意打ちのように煉獄さんに耳元で囁かれたその言葉は、とてもじゃないけれど言葉では言い表せない程破壊力が抜群で。一気に身体中が熱くなり心拍数だって馬鹿みたいに増して最早何が何だか分からなくなる。そのまま流れるように私の左耳に甘噛みをするように唇を寄せられて、私の頬は一気に真っ赤に染まってしまった。

「…腹が減ったな。何か食べに行くとしよう!」

「…………はいっ!」

いつものようにそう口にして、地面に膝をついて立ち上がった私の左手を当然のように握ってくれた煉獄さんがふわりと優しく微笑んだ。最後にそっと私の頬に触れて、愛おしそうに唇を重ねてくれた煉獄さんの大きな手が私の左手を引いて、ゆっくりと一歩前へと足を踏み出す。肩を並べて、来た道を戻る私達2人を、風に揺れて木の枝から剥がれ落ちた紅い紅葉達がゆらゆらと舞い降りる。地面に辿り着いたその紅い紅葉を一枚手にして、口角を上げた煉獄さんの表情は、今まで見てきた中で一番の、少年のような優しい笑顔だった。



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