「丁重にお断りします。テニスについての知識もなければ興味もありませんので」
「四六時中俺様たちと一緒にいられる特典つきだが?」
「すいません。あなた方にはテニス以上に興味がありません」
「言うじゃねぇの。だが、だからこそ入れ。」
「いやです」

目の前でテンポよく交わされる会話を長太郎はポカンと見つめていた。
テニス部のマネージャーをやれなんて勧誘された日には、普通の女子なら手放しで大喜びするところだ。跡部先輩と対等に言い合うこの人は一体何者なんだ。


「強情だな。じゃあ、入ってくれたら何でも好きなもん買ってやるよ」
「ついにもので釣りますか」
「俺様に買えないものはねぇからな」
「ナルシストに加えボンボン…つくづく私の嫌いなタイプです」
「アーン?とにかく早く」

「景吾ぉ、ちょたぁ!何かあったの?」

この声は…。

「あ!なまえちゃんだぁ!」
「…どうも」
「こんな所で何してるの?あ、もしかして見学かなぁ?」
「俺が連れてきたんだよ」

亜里沙の頭をポンと叩きながら跡部は笑った。

「お前一人じゃマネの仕事多すぎて大変だろ」
「むむぅ!亜里沙だって本気出したらもっと早く終わるもん!」
「終わってねーから言ってんだ」
「何よ何よう!景吾のアホ!アンポンタン!」
「アーン?お前の悪口は幼稚過ぎて痛くもかゆくもねーよ」
「むう〜!ちょたぁ!景吾が苛める」
「まったく…。跡部さん。亜里沙先輩が可愛いからって苛めるのはよくないですよ」
「あわわ!ち、長太郎!亜里沙別にかわいくないよぉ!は、はずかしいよっ」
「ふふ。先輩は十分かわいいです。ね?跡部先輩」
「フッ…まァそこいらのブタ女共よりはよっぽどな。」
「も…もぉ」



「…」

うおーい!!あ、ちがうか、もっとドスきかせて…うお゛ぉ゛おぉい!!スクアーロだったらまずこう言うはずだ。ベルなんて血の気盛んで10秒も耐えられないと思う。っていうか…え!?何これ何なのこの茶番!!ゲロゲロしちゃいそうなんですけど。帰っていいのかな!よーし今日の任務終わり!かーえろ!

ちゃぶ台を蹴り飛ばせ
とりあえず鳥居亜里沙の位置は分かった。
氷帝テニス部レギュラー陣に溺愛されてるお姫様は、これから一体何してくんのかしら。

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