「爆弾!?ザ、ザンザス!鳥居を頼む。俺は外に」
「必要ねぇ」
「??」
「…じき着く。」

『ザンザスー!!』

喧騒の中、遠くから聞こえてきた声に耳を澄ます。それは恐らくなまえのものだ。
「ザンザス!」
満面の笑みで二階の窓からなまえが飛び込んできたのは、そのすぐ後だった。

「るせぇ」
「ザンザース!!!もう、大好きー!」
「!」
「ええええー!!?」

二階から大の字になって飛び下りてきたなまえは、笑顔を浮かべたままザンザスに衝突した。ザンザスを道連れに床を突き破ったなまえを、綱吉は呆然と見つめる。

「十代目!?何ですか、今の轟音!!」
「うわ。でけー穴なのな」
「ようツナ。こっちはどーだ?」
「これは、あれ、ってリボーン!今までどこにいたんだよ!?」
「スクアーロとウェンロウの方にな。勝負はついたぜ」
「秒殺だぁ!!こんなクズ!」
縄で拘束されたウェンロウは白目をむいてピクピクと痙攣している。

「スクアーロ!よかった。」
「それより何だぁ!?この大穴は」
「これは……なまえが」

綱吉が説明を仕掛けた時、穴の淵に手がかかり、なまえに抱き着かれたままのザンザスが不機嫌そうに上がってきた。
ザンザスの額に浮かぶ幾つもの青筋など気にせずに、なまえは大笑いしている。

「わはは!ごめん!氷帝って体育館下に用具室あるらしいんだよね!忘れて思いっきりツッコんじゃった」
「笑ってんじゃねぇ…ドカスが」
「でもでも!ザンザス!何で言ってくれなかったの!?外にルッス達来てたんだけど!」
なまえの情報に顔色を変えたのは綱吉達であった。
「な゛!アイツ等こっちに着てやがんのか!?」
「勢揃いなのな」
「極限に久しぶりの再会だ!」
「ヴァリアーが!?…そうか!だからザンザスはさっき」

「なんかもう、ほんと嬉しかった!」
「…」
「呼んでくれてありがとう、ザンザス…!」


ザンザスの首に抱き着きながら幸せそうにそう告げたなまえ。ザンザスは鼻を鳴らすと、黙ってなまえの背中を支えた。

(ちょっ、う、ウソー!!オレ絶対ザンザスキレると思ったんだけど!)
(甘いぜぇ沢田!うちのボスさんはなまえにベタ惚れだぁ!なめんじゃねぇぞ!)
(……ししし!なぁ、俺たちなんかスゲーこと忘れてね?)


―――ガチャ!!


「ワハッハッハッハ!!莫迦め!愚かなボンゴレ共!この私から目を離すとは、油断大敵もいいところだ!!」
「鳥居!」
「既に我々の兵器は"一つ"になった!最早勝利は我が手にあり!!」

・・・

「ダメツナめ。何で目離した」
「いや…ザンザスがキレるかと思って…。俺的にそっちの方が…うん」

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