「くそ!くそ…!!ボンゴレめ…ッ」

「テメェの思う通り事が進むとでも思ったか」
「俺達の仲間に手を出した時点で、お前の負けだ。アルギット」

鳥居はバズーカを抱えながら、綱吉と銃を構えるザンザスに対峙した。部下を盾にしつつ攻撃を避けていたが、二人の戦闘力の高さに早くも自身の勝機を失いつつあった。
(ウェンロウが取り落としたバズーカも、アルギット誇る劇薬も、我が手にある!)
しかし鳥居が即座にそれを装備できないのには、理由があった。


「兵器をこちらへ渡すんだ!」

綱吉の呼びかけに、鳥居は黙って顔をしかめた。
――終わってたまるか…
こんなところで、
こんなガキ共によって、我が野望が潰えてよいはずがない…!

右手に持った劇薬の袋を握りしめた鳥居は、無理やりに口端を上げて、声をあげた。


「何を勝ったつもりでいるんだ?貴様ら!」
「?」
「部下に応援を呼ぶように声をかけておいた。今、こちらには数十人の精鋭達が向かっている!もう1分もすれば到着するだろう」
「ハッ…。めでてぇな。数十人でボンゴレを相手にする気か」
ザンザスの問いかけにも、鳥居は強気な姿勢を崩さなかった。
「…?」
狂気に満ちたその表情に、綱吉は違和感を覚える。


「精鋭達、と言ったはずだぞ!フッフフフ!貴様らの思うソレと一緒にするな」
「どういう意味だ。」
「今から来る部下たちは全員が体に爆弾を仕込んでる。」



「ガキ共が外へ逃れていることに私が気付いていないとでも思っていたか!

――全員殺してやる!!」


**


下っ端達を減らしていれば、ザンザスとツナのいる方からとんでもない発言が聞こえてきた。
「ぜ、全員が爆弾!?」
「しっしし!ま、フツーに戦わせるよか勝ち目あんじゃね?」
「笑ってる場合じゃないって!」

跡部達が危ない!

「ベル、勝負いったん中止ね!」
「えー」
「あたしが帰ってくるまで倒してもノーカンだから!」

そう言い残して二階に飛び上がる。
等間隔に並んだ窓から外に飛び出せば、黒塗りの車が何台か校庭に乗り込んできていた。

「苗字なまえ!?」
「な、何で上から!」
「皆校舎の中へ逃げて!校庭はダメ!」
「なまえ!」
「宍戸っ!」
人混みの中、腕を掴まれたかと思えば、そこにいたのは汗だくになった宍戸だった。彼の後ろからは鳳も現れる。
「お前、中にいたんじゃ」
「それより生徒を学校内へ!」
「校舎に!?どうしてっ」
「校庭も危険になってきたみたい。今来た奴らはアタシ達が食いとめるから、その間に誘導して!」
「そんな、お前だけ行かせられるか!」
「そうですよ!僕らも一緒に」


「クフフ…分からない人達ですね。なまえは君達がいると邪魔だと、そう言っているんですよ」

「なまえを咬み殺すのは僕の役目だからね。今、あんな敵に触らせるわけにはいかないよ」

「骸!恭弥…!!やっぱり来てたんだ」
「俺達も来てるびょん!」
「骸様がファッションに気を取られていなかったらもう少し早く来られたんだけど」
「千種、余計な口は閉じなさい。」

「苗字先輩…その人達は」
「ん?ああ、私の友達!強いから心配しないで」

そうこうしている間に、校庭に停車した車から男達が姿を現した。
宍戸は握っていた私の腕に力を込めた。


「あの日」

「…?」
周りの騒音も気にせずに私を見つめる宍戸の真剣な目を見て、私もじっと言葉の続きを待った。

「あの日俺が言った言葉は、嘘じゃねぇから」
「…」

――『……護るから、俺が…助けてやるからっ、泣いてくれ…!』

私は強く頷いた。(わかったよ。信じるよ、宍戸)
宍戸はそっと私の腕を離す。鳳と視線を交わし、宍戸は深く息を吸って声を張った。
「お前ら、校舎に逃げろー!!!」



「…よし。私達も行こう!」
「君、相変わらず甘いね」
「ちょ、なにさ…」
「ええ。この先生きていけるのか不安になります」
「いけるよ!二人してやめてよ」

校舎に向かって行く生徒達の波に逆らって校庭に向かう。
「うわ…ちょっと数多いな。でも二人とも、奴等は絶対に校庭から出しちゃダメだからね」
「クフフフフ…分かっていますよ」
「火薬臭い。アイツ等が着てるのは爆弾のチョッキかい」
「そう!できれば爆発される前に全員………何!?」

突然私たちを影が蓋う。見上げれば、一機のヘリが私たちの上空を横切った。
――バラバラバラバラッ
高度を下げ始めたのと同時にヘリの扉が勢いよく開き、中から見慣れた顔が現れた。

「あれは!」


「おい…!人が居過ぎる。これではどれが敵か区別がつかん!」
「あんたバカねえ。制服着てるのが生徒よ!ボンゴレの連中は顔見れば分かるわ。だからそれ以外を狙えばいいのよ」
「ボス達はきっとあの中だね。」
「ボス!!今からこの俺が応援に」
「だめよレヴィ、あたし達は外の掃除を任されてるんだから!さあ!暴れちゃうわよーんっ」

「どうやら、応援みたいですね」
「み、みんな…なんで日本(こっち)に…!」
「僕らだけで十分だよ」
「あ、恭弥!勝手にっ」
「雲雀恭弥に後れを取るわけにはいきません。」
「骸!?」

大乱闘


「あら!アレなまえじゃない!?」
「フッ…無事らしいな」
「僕らも行こうか」
「そうね!」

ヘリから飛び下りてきた三人のもとへ駆け寄る。ルッスーリアの厚い胸板とのハグも久しぶりで、何だか場所も弁えずに大騒ぎしてしまった。

「皆何で日本にいるの!?」
「あら、スクアーロに聞かなかったかしら??」
「きいてないよ!もう!ルッスー!!」
「会いたかったわー!!なまえ、あなた怪我だらけなんですって!?見せてごらんなさい」
「ぐえっ、ルッス、ぐるじー」
「止めときなよルッスーリア。ボスに見られたら事だよ」
「貴様ら!はしゃぐのは後にしろ」
「でもうれじー!マーモンも、レヴィも一応会いたかったよーっ」
「おい!一応って何だッ」
「なまえ、アナタここは私達に任せて戻りなさい」
「…うん!!」
「これが終わったら一緒にお茶しましょうね!ショッピングもよーっ」
「うん!!」

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