「知ってたんですね」
「ん?」
「菊の意味」
「まえーにレヴィに嫌がらせで100本送ってやった事あるし」
「(それでか)
またあんな挑発して…」
小さくぼやけば軽く流される。いつものことだ。だって王子だもん、はいつでもどこでも使えて便利なことである。

「しっしし、いーだろ?王子仲良くする気さっぱりねーし」

HRが終わってもシクシク泣き続けている亜里沙の周りにできた人だかりは、全員もれなくこちらに殺意を向けている。


「アイツ等ほんと最悪だな」
「死ねばいいのに」
「…そ、なこと、いわないで…!」
「亜里沙…」
「ベルくん、も、なまえちゃんも…ほんとは、きっと、やさっし…うぇ」
「お前もうあいつらのことなんてほっとけよ!」
「そうだよ亜里沙!」
「アタシらがいるじゃんっ」
「…みんなぁ」
「そうだ!今日学校終わったらカラオケとか行かね??皆でパーッと」
「いいねえ!それ!」
「あ、でも亜里沙部活か?」
「いーっていーって!終わるまで待ってっからさ」
「み、みんなぁ…!」


ピロローン

(メールだ)


5/11 8:56
From ベル
Sub 無題
――――――――

おええええええ
俺ムリ
マジ無理
大変だ
ヤベんだけどマジでゲロ袋


―――――――

「…」

同意。





「おい苗字、お前昼休みちょっと顔貸せよ」
「嫌です。」
「そんでさー、王子の前に野良猫が来たわけ。でも俺動物嫌いじゃん?」

「テメーに拒否権とかねーから」
「あります」
「で殺そっかなーとか思ってたらソイツ急に爆発してさ、ししし!うけね?」

「ッうけねーよ!!俺が喋ってんのにお前なん何だよ」
「は?先にこいつと喋ってたの王子なんだけど」
「お前一方的に喋ってただけだろ。苗字は俺に相槌うってんだ」
「あんなの相槌じゃねーから。適当に流されてるよお前、ししし!かっわいそー」
「なっ!お前こそ、殺そうとか爆発したとか、冗談気持ち悪ィんだよ!!」
「顔面キモいお前には言われたくねーよ」
「外人が調子乗んなよ!」
「王子に向かってなめた口ききすぎじゃね?」
「チッ!……とにかく苗字、絶対来いよ」
「嫌です」
「ふざけんなよ。なまえは昼休み俺と昼寝する約束してんだよ」
「してません」
「ふざけんな!来ねェなら無理やり連れてくぞ。こっちには数いんだ」
「知ってる?お前らザコは固まってもザコだから」
「テメェ…!!」


「…煩い」「煩ェ」

あ、ザンザス。
「とっとと席つけカス共」
本当いつ見ても格好いいな…癒し系だよ。わたしだけの。



癒し系男子

(ボスが癒し系!?オマエ……そりゃねーわ。王子ひく)
(ちょっとした悪夢だね)
(ザンザスはどちらかと言ったらストレス与える系だぁ!!)
(スクちゃん殺されるわよ)
(なまえ、俺は分かるぞ!貴様の言いたい事が!)

…なんか変なの思い出した。

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