「おはようございます、皆さん」

武君、隼人君、そして何やら綺麗なお姉さんと小さな子達がひーふーみー…賑やかだな綱吉くんちって。

「あれー?ツナ兄達、なんでボロボロなの?」

「…」ノーコメントで。


「チャオッス。調子はどうだ?なまえ」

「あ、大丈夫です。昨日は色々ご迷惑おかけしてしまって誠に申し訳」

「しっししし!固すぎじゃねオマエ」

「ベル!」

沢田家のリビングで思いっくそくつろいでいたベルに駆け寄る。

「ベル大丈夫?怪我してない?」

「ハ?何で」

「だって今日はお仕事があるって」

「あーアレな。チョロ過ぎてやったことも忘れてたわ」

「そ…そっか。良かった」

「……オニギリ」

「え?」

「食った。」

昨日の出来事のインパクトが強すぎてすっかり忘れてたけど、そういえばおにぎりを作ってあげてたんだっけ。…ってことはベル、食べてくれたんだ。

「おいしかった?」

「微妙」

「…」


「さあ皆ー!ご飯ができたわよーっ」
私はその声で再び飛び上がり、姿勢をぴんと正して声の主に向き直った。

「お邪魔してます沢田さん!!昨日は夜遅くにご迷惑を」

「あらあらあら。なまえちゃんね。気にしなくていいのよ」

唐揚げの乗ったお皿をテーブルに起きながら、沢田さん、奈々さんは神々しい微笑みを浮かべた。


「お母さんから、あなたが困ったときは助けてあげてってお願いされていたの」

だから気にしないで、って優しすぎだよ奈々さん…!
私は深々と頭を下げて、お礼の言葉を告げた。

「ドカス共」
ドスのきいた声はリビングの入り口からだ。きっとそれらは、スクアーロさん達に向いている。

「そいつを連れて本部に来い。」

「ザンザスさん!」

「…」

「ザンザスさんは…?」

駆け寄って尋ねれば、私の声は思いの外不安そうに紡がれた。
「先に行ってる」

「…そうですか」

ザンザスさんは何を考えているのか、よく分からない顔で私を見下ろした。さっと上げられた手は私の頬に触れる。

―――ぎゅうううう


「いっひゃーい!いひゃい、れす!」

私の頬を抓っていた大きな手は離れ、ザンザスさんは何も言わずに家を出て行った。
…なんなの?

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