01 今回の依頼は、嬉しいような…嬉しくないような…そんな感じの仕事内容でした。 でも、実際は とても嬉しかったかも…… 結婚式 「バーチャル結婚式、ですか?」 「えぇ」 ここは、人の出入りが少ない昼下がりのホンキートンク。 奥のテーブルで話をしているのは、絵画怪盗のクレイマンと情報屋の苗字#name1#だ。 クレイマンは、一冊のパンフレットを#name1#の前に差し出して話していた。 「私の知人が、この教会の新しいパンフレットを作るのにモデルを探していてね。お芝居しながら撮影をするんだよ」 「それで…私を新婦役に?」 「イメージがピッタリだったの。ちゃんと依頼料は払うつもりさ、どうだい?」 「はい、その日なら時間もありますから大丈夫です。それで…新郎役は一体…?」 「そのことは言えないな、彼に口止めされてるからね。」 「……分かりました。それでは、当日は直接行けば良いんですね。」 「えぇ、お待ちしてますよ。」 クレイマンはパンフレットを#name1#に手渡すと、店を出て行った。 ** 「#name1#さん、教会に行くんですか?」 コーヒーを飲んでいるところへ、バイトの夏実が#name1#に話しかけた。 「クレイマンさんには、色々世話になってるからね。こんな私が力になれるかどうか…」 「そんな事ないですよ!#name1#さんは、いつでも誰かの力になってるじゃありませんか」 「そうかな…」 #name1#は、クレイマンが店を出てから少しだけ違和感を感じていた。 行ってはいけないような違和感を…そして、脳裏には漆黒の殺人鬼の姿が浮かんだ。 (何でその人が頭の中に出てくるの!!) #name1#は顔をブンブンを振ると、イスから立ち上がり店主の波児にお勘定を渡した。 |