前編 こういう特別な日には、彼と共に刻を過ごそう。 そして・・・・・ 七夕の日には・・・<前編> in HONKY TONK。 「んあ〜、今日は七夕だね〜、蛮ちゃん〜。」 「あ〜、そうだな〜・・・」 カウンターで暇そうに呟きながら、波児の入れたコーヒーを飲む二人。 「ふふふ、暇そうですね蛮さん 銀次さん。」 「そうなんだよ〜、ビラ配りもちゃんとしたんだけどね、お客がこないんだよ〜。」 コクコクとコーヒーを飲みながらタレ化して言う銀次。 ―カランカランッ 「こんにちわ、波児さん。いつものください!」 「いらっしゃい、今日は浴衣か?誰かと待ち合わせのようだな。」 ニコッと笑いながら話す波児。 店に入ってきたのは、カウンターでコーヒーを飲んでいる2人の同業者の苗字 名前である。 彼女の着ている浴衣は、青い帯で止められている無地の水色の浴衣だ。 「綺麗な浴衣ですね〜。あ、近くの神社でやってるお祭りに行くんですか?」 夏実は、名前の前にコーヒーを置きながら話しかける。 「そうそう、七夕祭りやるんだって!なんかイベントがあるみたいだから、行ってみたいなって思ってさ。」 「へ〜、誰と行くの?」 タレ化した銀次が、首を横に傾けながら名前に話す。 「銀ちゃん達も良く知ってる人だよ?」 ―カランカランッ 本日二人目のお客が入ることを知らせるベルが鳴った。皆は、開いたドアの方を注目する。 そんな中、名前は少し明るい表情に、銀次は更に小さくなって冷や汗をダラダラと流していた。 「すみません、待たせてしまいましたか?」 「ううん、全然待ってないよ。仕事中なのに誘ってしまって・・・申し訳ないです;」 「貴女からの誘いを断るわけにはいきませんからねvおや?またお会いしましたね、銀次クンvv」 「あああぁあぁあぁあ赤屍さんっっ!!!!」 銀次は叫びながら、奥のボックスに身を隠した。 店に入ってきた人物は・・・ 夏が近くなって暑くなるにもかかわらず、黒いロングコートを身にまとっている最強最悪の運び屋・赤屍 蔵人である。 「コーヒーご馳走さまでした!さて、行きましょうか。赤屍さん」 「えぇ。」 名前はコーヒーを一気飲みしてカウンターの上に、550円置くと赤屍と一緒に店を出て行った。 「なあ、銀次・・・」 「蛮ちゃんも、同じ事考えてるよね・・・」 「あぁ・・・」 目元をキラーンと輝かせながらお互い見合わせる2人。波児は、何も見なかったかのように新聞を読み始めた。 ここは、先程の喫茶店からそんなに離れていない少し小さい神社である。 夕方なのにもかかわらず、たくさんのカップルがお祭りに参加していた。 「こんなに人が来てるなんてビックリですよ!」 「そうですね、今日あるイベントはそれ程の価値があるようだ。」 しばらく神社の中を歩いていると、一つのテントの下から小さな笹を持ち、2つの短冊を下げて歩くカップルの姿が目に入った。 「きょうはありがとうvこのイベントに参加できて嬉しいわv」 「今日は僕達が優勝するんだからなv」 笹を持ったカップルは、そんな会話をしながら2人の横を通っていった。 「・・・どうやらイベントの参加申し込みをするようですね?」 「あ、本当だ!早く行きましょう!」 赤屍のてをグイグイと引っ張りながら、人だかりの出来ているテントの下へと入っていく名前。 そんな名前の姿をクスッと微笑みながら、赤屍は暖かな微笑で見ていた。 「いらっしゃい、このイベントに参加するカップルさんですね?」 「え…//あ、はい・・・」 「それでは、この短冊に自分の名前を書いてくれるかしら。彼氏さんもよv」 テント下の受付にいるお姉さんは、2人の前に短冊とペンを渡して言う。 言われた通り、名前と赤屍は自分の名前を書いた。 それをお姉さんに渡すと、隣にいる人から小さな笹を貰い、2つの短冊をつけて手渡した。 「ルールは簡単。お祭り終了まで、この短冊を笹から落としちゃいけないわよ。落としたらその場でゲーム終了だから。 それじゃあ、がんばってね〜v」 手を振って、受付にいるお姉さんは笑顔で名前達を見送った。 「これがゲーム?なんのことやら・・・」 「・・・これは楽しいことになりそうですねv名前さん。」 「え?」 首を傾げながら赤屍の方を向く名前。赤屍は、受付の人から貰った今回のゲームの説明書のような物を名前に渡す。 「大分込んでいたようなので、一枚貰ってきましたよ。」 「ありがとうございます!え〜と・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・狽ヘい!?」 紙に書かれている内容を一通り見終えると、名前は目を点にして言った。 紙に書かれている内容はというと・・・・ 『このゲームは、カップル限定参加。 決まった時間までに誰にも邪魔されずに、笹にぶら下っている短冊を取られないように頑張ってください。 とられた場合、永遠に結ばれないのでおきお付けください。あなた達の運命を、見守っています。』 他にも色々書かれているが、それは省略しよう。 「ということは、邪魔者がいるってことですよね・・・?」 「そのようで・・・さて、無事に逃げられるといいですねvv」 ニッコリスマイルで、名前に微笑む赤屍。 その横にいる名前は、冷や汗をタラリと流した。 「(このまま誰にも邪魔されずにいると、赤屍さんと結ばれる事になるの!?でも、誘ったの私だし・・・ あれ?でも、どうして赤屍さんを誘ったんだろう・・・?;)」 ――ゲームは始まったばかり。 後編へ続く・・・ 製作日:2005/7/6 これは長くなる!と察した私;いつもの事なんですが、前編・後編に分けて送ろうかと思います。 きっと間に合いますので、大丈夫だと思います。(多分;) 待ってて下さいね!!?曉 啓サマ!! |