後編

7月7日。今日は、皆がよく聞く織姫と彦星が年に1回会える日。

そんな日に、彼女・名前は赤屍と一緒に七夕祭りに参加していた。




七夕の日には…<後編>




「う〜ん、この『邪魔者』って誰のことなんでしょうね。」

「誰でも構いませんよ。無事にこれから目を離さなければいいのですから。」

そう言いながら、赤屍は短冊を少し高く持って言った。

「―――――赤屍さん、気付いてますよね。」

「この殺気のような気配の事を、言っているのですか?」

「うん、それも一番馴染み深そうな人の・・・」

名前がゆっくりと、振り向いたその時――――



「「Get Backers参上!!」」



人ごみにまぎれて、一枚の短冊を持った蛮と銀次が現れたのだ。

「蛮に銀ちゃん!どうしてここに・・・」

「へっ、俺もお前の事が好きなんだよ。赤屍なんぞに奪われてたまるかっ!」

「ぼ・・・僕もです;;」

冷や汗をダラダラと流しながら、蛮に続いて銀次も言う。

何かを思ったのか、名前は赤屍から受け取った紙をもう一度読んだ。


『青い短冊を持った人が、今回の邪魔者さんです。無事にその人たちに短冊を奪われないように注意してください。

あ、書き忘れるところでした。短冊が奪われても、時間内に笹に戻せばセーフです。あなた達の運に期待してますよ〜v』


「(語尾に何でハートマークが;ま、いいか。)あの赤屍さん、戦うんだったら・・・」

「そうですね、ここだと他の人に迷惑をかけるかもしれませんしね・・・」

「あ!こんなところにいた!!ちょっと蛮っ!」

赤屍と蛮が戦闘態勢にはいろうとしたとき、名前の耳に聞き覚えのある人の声が伝わった。

「あ、卑弥呼ちゃん!こんばんわ、卑弥呼ちゃんもこのお祭りに来てたんだ。」

「えぇ、他にも何人か連れてきたんだけど・・・途中で迷子になってさ、で、見つけたと思ったら何やってるの;あんたら」

卑弥呼は、名前の持つ笹が目に入った。しばらくして、何かを理解したように少し怒りながら蛮のところに歩み寄る。

「蛮〜?あんた、この2人の仲を邪魔しようとしてたわね・・・?」

「煤I(ビクッ)」

「退化香!!」

高くジャンプして、蛮に向かって退化香を飛ばした。蛮は、軽々とその攻撃を避ける。

「いきなり何しやがるっ!!」

「ちょっと機嫌が悪くなってね・・・どっかの誰かさんのせいで!!」

「狽」お!!」

次々と卑弥呼の攻撃をかわしながら、蛮は赤屍達の前から姿を消した。

「ば・・・蛮ちゃん;;」

「銀次クンも美堂クンと同じことを考えて、ここに来てたんですよねv」

「這煤I!いや・・・失礼しました〜〜〜!!;;;」

メスをちらつかせながらニッコリスマイルで話す赤屍に、銀次はタレ化して蛮の後を追っていった。

「・・・一騒動にならなかっただけ良しとしましょうか。」

「そうですね。」

メスをしまうと、ツバの長い帽子を少し深めにかぶりながら言う赤屍。

「さて、邪魔者が消えたところで せっかくお祭りに来たんですから楽しみましょうかv」

「はい!たくさんの店を回りましょう!!」


その後。。。
何度か蛮と銀次は名前の目の前に現れたが赤屍の攻撃や キレた卑弥呼の攻撃を受け動かなくなったとか・・・




どんどん辺りが暗くなった頃、神社全体に放送が流れた。

―ピンポンパンポーン♪

『本日は、七夕祭りの参加していただきありがとうございます。

さて、笹を持ったカップルが減ってきましたね。さてさて、あと10分弱でこのイベントが終了します。

時間になりましたら、受付のテントに寄ってください。お願いします〜。』

―ピンポンパンポーン♪


「言われてみれば、段々減ってきたみたいだね。あんなにたくさんいたのに・・・」

名前は周りを見渡しながら、放送された言葉を思い出す。

「この様子だと、もう邪魔者はきませんね。そうそうここに来る途中に、小さな池を見つけたんですよ。

この季節なら、もう蛍が出てくる頃ですね。」

「本当ですか!?私、蛍って見た事がなかったんですよ!!」

「ならいい機会です、ご一緒に行きませんか?」

ニコッと微笑んで赤屍が言う。

「喜んで。」

名前もニコッと微笑み返すと、赤屍の手を取って一緒に歩き出す。

「こちらですよ。」























ここは、さっきの神社から少し離れた薄暗い小さな池。

そこでは、チカチカと点滅しては消える小さな光があちこち見られた。

「うわ〜、蛍だ〜。」

とても嬉しそうに、名前はまじまじと蛍を見た。その姿を見た赤屍もとても嬉しそうな微笑をする。

目の前にいた蛍が、空高く飛んでいく。その蛍を目で追いながら名前は空を見上げた。

「綺麗な天の川ですね。」

「そうですね。」

見上げた空は、曇り一つなく星が綺麗に見えた。

「今日は誘っていただきありがとうございます。名前さん」

「いえいえ、私こそ一緒に来てくれてありがとうございます。」

軽く名前は頭を下げる。

「来年も一緒にこうやって過ごしたいですねv」

「・・・そうですね//」

心地よい風が、2人を優しく包んでいった。



*the END*

製作日:2005/7/9
二日送れた挙げ句、出来た小説がこれかいっ!という突っ込みはいりませんからね;
こんな感じでいいのかどうか分かりませんが、これくらいで勘弁してください;
明るい子で書いたのは、本当は初めてなんですよ;どう表現させたらいいのやら・・・少し苦労しました;
これで、無事に完結です。曉 啓サマ、リクエストありがとうございました!!



(2/2)
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -