橙色の三つ編みと黒色のセミロング
桑原パンチです。
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「ごめんなさい天使さん!!あでゅー!!!」
私は正直ヤバイと思い、すたこらと逃げました。
普通に走ると遅いのですが、逃げ足は誰にも負けないのです。
そういう人、いませんか。
「―――なにあの子」
「おい団長、何つったってんだよ」
「阿伏兎、やっぱお前が話つけてきて」
「はぁ!?」
「俺、ちょっと用事思い出したから。ドラマの再放送見なきゃ」
「おいバカ団長!!!」
私は校舎の中にやってきました。ここならもう安心でしょう。
「めい」
「ピャアアアアアッァァオオ!!!!」
「ものすごい叫び声だね」
「よく言われます。それじゃ、あでゅー」
そう言って逃げようとしたとたん、捕まってしまいました。
「ねぇめい、さっき俺にパンチしたよね」
「知りません」
「………」
「しました!!!ごめんなさい!!!!」
もの凄いオーラが漂ってまいりました。キューチクルな笑顔なのに怖いです。
一体、この殿方は誰なのでしょう。
「そのパンチさ、当たったよね」
「そうですね。あたりました。いまでもあの清々しい感触は残っております」
「俺にパンチ当てるなんてすごいよ」
「何故なのでしょうか。褒めてもらっているのに全く嬉しくありません」
「普通のパンチとはなんか違う気がしたけどさ、何なの」
「桑原パンチです」
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