三つ編みの誠実さ
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「は!」
突然開いた目には最近強さが増してきた光が刺さります。眩しい眩しい。
私は一体…。
「ここ…、保健室ですかね。私確か学校に来て下駄箱を開いたら…うっ」
吐き気がしました。お腹のそこから沸き上がるものをなんとかせき止め、私は再びベッドに寝転びました。本当は出してしまった方がいいのでしょうが…。
しかし、そんな体調の変化が起きながらも心のなかでは何でかしら。少し安心感があります。なんとなぁく寝てるときに、誰かに優しく包まれる夢を見た気がします。それはそれは心地よくて。
私がぼーっとしていると、扉を開く音が聞こえました。
「めい、起きた?」
そこにいたのは神威さんでした。
そういえば、倒れる直前神威さんの声が聞こえ得たような…。
「俺が運んであげたんだ。感謝しなよ」
「そっそれは申し訳ないことを…。私のようなデク女、さぞ重たい思いをしたでしょう」
「ばかだなぁ、そういうときはありがとうっていえばいいよ。謝らなくて良い。」
「…ありがとうございます。」
私がそういうと、神威さんは優しく笑いました。いつものにこにこスマイルとは雰囲気がちがいます。
なんだか照れ臭いです…。
「あっそういえば、朝の手紙の…」
「あぁ、あれは俺が片付けるから。安心してね。」
「ごっご覧になられたんですか!」
「そりゃあ目の前にあったらね」
私がこのことで悩んでいること、最初に知る方が神威さんになるなんて…。なんだか不安です。彼はいささか暴力的ですから、解決してくださるとおっしゃっていますがそういう類いのものは…。
「きちんと筋を通した形で終わらせるよ。俺は君にもう誰も殴ったりしないって誓ったからね。」
…考えてることがばれたのでしょうか。
エスパーです!神威さんはひとの心が読めるのです!
「めいの考えていることなんて手に取るようにわかるよ。安心して俺に任せなって。」
「でっでも、これは私の問題であって神威さんには関係がないです。迷惑かけられないです。それに、私あなたのことあまり信じられないです。」
だって神威さんはひどい嘘をつくんですもの。そんな方に安心してって無理です。人の気持ちを面白がって遊ぶような方ですからね。
「…」
「…どうかされましたか。」
「ごめんね。」
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