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「ご苦労だったな、name」

男が自白し、任務が終わったと同時に入ってきたブチャラティ、と

「うわーこいつ歯ほとんどねぇじゃん、鼻も潰れてるし、ひでぇツラになったな」

ゲラゲラゲラ、と品の無さ全開に笑うミスタ。

『あーねむい、お腹すいた...』
「ミスタ、そいつをボスの所へ連れて行け」
「はいよ了解〜、おら、立て」
「nameはもう戻っていいぞ」
『うん』
「今日のお前の任務はこれで終わりだ、ゆっくり休め」
『う〜ん、ねぇブチャラティ、ボロネーゼが食べたい』
「...分かった、30分待て」
『おっけー30分ね』

時計を見れば時刻は午後2時。朝食を食べていないせいか、腹ペコだ。2人の顔を見て気が緩んだのか、お腹が鳴り出した。

『着替えてくる』
「ついでに顔も洗ってこい、血まみれだぞ」
『は〜い』

ブチャラティに言われた通り、今の私は顔も服も血まみれだ。もちろんこの血は私の血ではない。さっきまで一緒にいた男の血だ。
そしてこの男の血はあまり綺麗じゃない。ドロドロしていて私の好みじゃあなかった。血なんて見たってどいつも同じじゃねぇか、て前にミスタとアバッキオに言われた事があるけど、そんな事無いんだよね。綺麗な人は本当に綺麗なんだ。そして私は綺麗な血液を見るのが好きだ。これについては前者の2人に気持ちわりぃな、変態女。と軽蔑の眼差しを向けられたけど。
この2人に限っては言われたくない言葉だと思う、変態なんて。

『ね〜タオル無いんだけど』
「name、お疲れ様です」
『うん、疲れたー』
「食事は?」
『ブチャラティにボロネーゼ食べたいって言った』
「そうですか」
『フーゴもいく?』
「いえ、僕らはついさっき食べ終えたばかりなので」

ニコニコと爽やかスマイルを向けながらタオルを差し出し私の椅子を引いてくれるフーゴ。彼は出来た男だと思う。ある一部を除けば。

「お前あんな血まみれの肉塊見た後でよくトマトソースの肉料理なんて食えるな」
『いつもの事じゃん』
「図太い性格してるよな」
『アバうるさい』
「まぁだからこそnameには適任なんですよね、この仕事は」
『そーそー、そうだよ』

生憎私は血だとか肉塊...死体を見たくらいで怯んだりする女子ではない。まぁ別に死体に興味があるわけでもないけど。血は好きだ。あと恐怖に怯えて歪む顔にも魅力を感じる。興奮する。ただそれだけ。

「name、行くってよー」
『なんだ、ミスタも行くの?』
「あぁ?なんか文句でもあんのかよ」
『せっかくブチャラティと2人でデート出来ると思ったのに〜』
「あーはいはい、それは悪かったですね〜」
『嘘だよ、ミスタとブチャラティとなんて両手に華だもん、嬉しいよ?』

首を傾けて笑いかけるとミスタの頬が少し紅くなった。おぉ、そうだな、なんて嬉しそうに頭をかきながら私の手を取るミスタ。なんて単純な男なんだろう、ミスタは可愛いなぁ。とは口には出さないでおこう。

「単純なやつだな」
「nameもよくあんな台詞を平然と吐けますねぇ」
「お前が言うかフーゴ」


20120203



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