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「……」
理緒は目を覚ました。
「(……あれ…? なんで私は蔵に頭を預けてるの…?
あ、ありえない…!!)」
白「ん? 理緒起きたか?」
「あ…、うん…。」
白「おはようさん。」
「お…おはよう…。
ところで蔵、ここはどこ…?」
白「んー詳しくはしらんけど、もうすぐ東京や。」
「(…わー、どれくらい寝てたの、私…。)」
白「あとな、言いにくいんやけど…、」
「…なに?(やな予感が…。)」
白「金ちゃんが消えた。」
「……
は?」
理緒は何を言っているのか分からない、といった表情をしていた。
謙「なんや理緒、目ぇ覚めたんか?」
「……謙也…、」
謙「ん?」
「金ちゃんがいないってどういうことだぁぁぁあ!!」
謙「ぐえっ!!」
そういうと理緒は、謙也の首をしめた。
謙「や、なん…か、新、富士……辺り、で……降り、た…らしん……や…!」
謙也は今にも死にそうな感じだ。
白「理緒、ちょっ、いい加減謙也離したり、死ぬで?」
「…あ、」
白石の言葉で我にかえったのか、理緒はパッと謙也から手を離した。
謙「か、っは!! ハァハァ…! し、死ぬかと思ったわ…!!」
「ごめん謙也!!」
謙「まあ、取り乱すのはしゃーないな…。」
「本当、ごめんね」
謙「もうええって。 でな、金ちゃんのことやけど、 侑士に見つけたら連絡するように言うとくから。」
「…侑士かぁー…、」
謙「ん? なんや、不満か?」
「や、侑士が頼りになるかなー…って…。」
謙「…お前ら2人同じこといいよるな。」
「…え?誰と…?」
謙「白石と。」
白「「だって侑士頼りない(から。/やろ?)」」
謙「お前ら2人キレイにはもるなや。」
「だって、侑士に頼れないんだもん。」
白「せやなぁ。」
謙「…。(侑士かわいそうやなぁー…。)」
[東京―…東京―…]
「あ、着いたみたい。」
白「ほな、皆降りるで。」
東京駅ホーム─…
白「皆おるかー?」
「金ちゃんと謙也以外は居るよ。」
「…何っ!?
とにかく、パワーは凄いで。ちなみに入学して2週間で、関西の中学・高校8校もシメてもうた。
どやっ!!」光「あ、謙也さんの声ですわ。」
「…やっぱりあの2人は言い争いになるのね…。」
はぁーと理緒はため息を漏らしながら、理緒は謙也の元へと行った。
─…
謙「こっちなんか、もっと凄いっちゅーねん、ヤクザもびびって道空けるっちゅーねん!!」
「…何の自慢大会?」
謙「あ、理緒。」
<理緒やて!?ちょ、かわれ!!>
謙「は?」
<ええから!!>
謙「理緒、侑士がお前にかわれやて。」
ん、と謙也は理緒に携帯を差し出す。
「え?私に…?」
理緒は謙也から携帯を受け取った。
「…もしもし?」
<理緒か!?>
「…そうに決まってるじゃん。」
<…お前、白石とはどうなっとんのや。>
「はぁ!?」
謙「わっ!! ビックリするわ!!」
<…ビックリしたわ…。>
「や、ちょっ単刀直入過ぎるでしょっ!!」
<お前らがなかなかくっつかんからやろ。>
「…そんなこと言われたって…。」
<まあ、はようくっつけや。>
「う゛っ!!」
<
やないと、俺らが諦めた意味がないやんか…。>
「え? なんか言った…?」
<なんも言ってないで。ほな、また東京でな。>
「…うん、謙也にかわるね。」
<ああ、>
謙「…なに話とったんや…?」
<気にすんなや。>
謙「…まあとにかく、あいつまだ東京に着いてへんのや。
とにかく、従兄弟のよしみや。見掛けたら連絡頼むわユーシ。
名前は、
遠山金太郎。
まあ、頼むな。」
<ああ、>
ブチッ
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