Agapanthus




文化祭という大きなイベントも終わった後
部活に専念できる日々を過ごしてきた
「うお〜キタ〜!仙台市体育館再びっ」
そして、とうとうここまできた
全日本バレーボール高等学校選手権大会
通称、春の高校バレー
その宮城県代表決定戦の最終だ
IH予選のベスト8+春高一次予選を勝ち抜いた8チームの計16チームで1つの代表枠を争う狭き門
「絶対リベンジ」
きっと皆の頭の中にはIH予選での出来事が駆け巡ってるんだろうな
「うおおおお!!」
「フライングするんじゃねーボケェー!」
とは思ったけど変人コンビは今日も元気よくかけっこしてるな…?
「日向と影山は脊髄反射で生きてる感じだね」
「虫みたい」
「マグロでもありそう」
『ブッフォ!』
思わず吹いてる龍と夕だけど、君たちも時にあんな感じだよ…とは口には出さないでおこう
「ギャッ」
そんな時、蛙がつぶれるような声を出した翔ちゃん
前方にはこの間会った条善寺の人達…?
「あれっーーってことはー」
「?」
「メガネちゃーん!今日こそ番号教えてねーっ」
なんと潔子さんをロックオンしてきてた
「なんたる事…!目敏く潔子さんを見つけるなんて…!潔子さんは私がお守りいたします…!」
「あ、ありがとう柚葵」
「あれ!?そこのかわいい子!この間居なかったよねー!?かわい子ちゃんも番号教えてよー!!」
「…仁花ちゃんも私が守る!」
「柚葵さん、きっと柚葵さんのことだと思いますけど…」
「いや、違う、きっと違うよ」
「両手広げて益々かわいいねぇ!」
おっと……まさかの…
「あっコラッ!!」
私かよ…と思った瞬間龍と夕が飛び出していた
流石潔子さんセコム…早すぎる
「いけー!田中!西谷!」
え、何故か孝支先輩も応援してらっしゃる…!?
「や、やめなさい!」
「あ"っ」
「す、すみませんでした!」
勢い良く飛び付いた二人の目の前にマネージャーである女の人が代弁して謝ってきた
「あ、止まった」
「空中で固まってる、スゲー」
コチーンとそのままの体制で固まった二人
確かに凄すぎる
「じゃあー1回戦ヨロシク」

「柚葵はもっとちゃんと自分を知ろうな」
「だべ…あと無防備すぎる」
「危険すぎる」
「自覚もってください…!」
「え、まさか潔子さんを守っただけで散々な言われよう…」
解せぬ
「「全部倒ーす!!!」」
そして全力疾走で駆け抜けていく変人もよく分からない
「テンション高いなー」
「お陰で冷静になるわ」
「言えてます」
体育館の中へと入るけど、あまり変な高ぶりはないのは変人コンビのお陰かもしれない
「あ、潔子さん!荷物置いたらトイレに行ってもいいですか?」
「うん、試合までは時間あるしゆっくりしてきたらいいってコーチが言ってたよ。ついでに試合見に行ってても大丈夫よ」
「ありがとうございます!」
折角なら時間があるし、白鳥沢とか青城とかも見学させてもらおう

ついでに幼馴染み達にでも挨拶してくるかーと思って青城の場所を覗いたけど、二人の姿はなかった
仕方ないな…と思いながらトイレを目指すと
「何だ何だ」
「うわ、白鳥沢と青城…一触即発?」
「!」
いたー!!居たけど何で翔ちゃんがウシワカさんと徹くんと岩ちゃんの間にいるの!?
しかもトイレの前でそんな総出で立っておかないでほしい
「アレだ!この前"2m"倒した烏野!烏野の10番!!」
「あの烏野の1年青城と白鳥沢にケンカ売ってんのか!?すげえ!」
いえ、きっと巻き込まれただけですネ
「かっ勝つのは烏野……ヒイッ」
翔ちゃんがそう言った瞬間睨まれてる…
「あ…いや…えーっと…!?ヒョエッ!?」
そんな眼光にやられた翔ちゃんが後ろへよろけると、そこには伊達工の青根くんが…
ぶつかった翔ちゃんはなんとも言えない声を発してた
「誰だろうと受けて立つ」
ウシワカさんのその言葉にピリッと緊張が走ったのが分かった
「…お前は」
でかいなぁ、こんなにタッパもあって力もあるとか体格に恵まれてるなぁ……とボーと見てたのが悪かった
いつの間にか目の前にウシワカさんがいた
本来は"ウシワカ"ではなく牛島さんなのだけど、徹くんが連呼するから私のなかではウシワカさんとなってしまっている
……と現実逃避をしたくなるほどウシワカさんに凝視されてる私
「あ"!柚葵!!」
を徹くんが見つけないわけもなく、今度は私がターゲットにされたらしい
徹くんが駆け寄ってきたかと思うと、腕を引っ張られ徹くんの後ろへと隠された
そのまま岩ちゃんも無言でズンズンと歩み寄ってきたかと思うと、徹くんの横へと立ち、完全に二人はウシワカさんの視界を塞いだ
「…何の用」
「お前達がそうなるのは珍しいな」
「うるせぇ…用がないならとっとと行きやがれ」
「いや…用はある」
「!」
「及川…柚葵だな」
『!』
なんで、この人が私の名前を知ってるんだ
「昔、お前とバレーをしたことがある。……覚えてはないようだが」
きっとトラウマになる前のあの時
県内一のクラブにウシワカさんはいたんだ…
でも、誰と何をやったかまでは覚えてないし、仲の良かったであろう友達も今では疎遠だし
「す、すみません…覚えてないです」
「いいんだ、俺が勝手に覚えているだけだ。お前のバレーボールは見ていて気持ちがいいものだったからな」
「え、なに、気持ち悪っ」
「こら!徹くん!言葉には気を付けなさい!」
「…んで?それがどうしたんだよ…関係あんのかよ」
「岩ちゃんもいつもの岩ちゃんじゃない……」
「バレーボールを辞めてテニスに移行したと聞いたときは驚いた。あんなに魅力的なバレーボールしていたのにそれを捨ててテニスに行ったのかと…少し悔しかった」
本当に申し訳ないのだけどウシワカさんとの記憶はない
ただ、そこまで言ってくれる人がいるだなんてあの時は思いもしなかった
「しかし、テニスで名前を馳せたお前に悔しさはあっという間に消えた。きっとお前はテニスで世界を取るのだと思っていたからだ。なのに、」
そこでピリッと張り積めた空気を感じた
現役時代ひしひしと感じたこの感覚……だけど違う
思い出すだけでも武者震いをしそうになるものとは違う

恐怖、だ

「何故、逃げた」

重い現実

「何故、白鳥沢に来なかった」

容赦のない言葉

「何故、テニスをしていない」

確かにあった期待

「何故、お前は烏野にいる」

裏切った代償

「どうしてマネージャーなんてしているんだ」

なにも

「自分の可能性を捻り潰して何故そこにいる」

知らないくせに


「いい加減にしろよ牛島…今日は良く喋るようだけど」
「黙って聞いてりゃー調子に乗りやがって」
「なにも知らないくせに偉そうに言うな」
ウシワカさんの言葉に反論しようと足を一歩前へと踏み出した直後、目の前に立ち塞がる幼馴染み達が我先にと言葉を放っていた
「…ああ、俺は確かに何も知らない。だからこそ疑問に思ったことは聞いておかないと気がすまない。どうしてその才能を、勝てる力を発揮できるところにいない。高校は白鳥沢に来るのが当たり前であったはずだ。推薦状もいっていたと聞いたが」
「ほんっと…お前デリカシーが無さすぎる」
「腹立つくらいに素直過ぎんだよ」
駄目だ……ウシワカさんは私のバレー嫌いになった時を思い出させてくる
でも
「……っ」
「おい、及川…」
「…分かってるよ岩ちゃん」
徹くんと岩ちゃんが急に振り返ってきた
「柚葵、こんな奴ほっといてここから去ってもいいけど、どうしたい?」
「…徹くんは分かってるんじゃない?」
「俺も何となくだけど予想できる」
逃げるだけだといつまでたっても先へ進めない
「流石岩ちゃんだね…言われっぱなしは性に合わない」
「だと思った」
「思いっきり言ったれ」
トンっと二人に背中を押されてウシワカさんの前に立つ
ウシワカさんはじっと私の目を見てきてる
眼光に負けないようにと張り合いながら言葉を探す
「…さっきも言いましたが、私はウシワ…牛島さんのことは覚えてません。思い出せてもいません」
「……そうか」
少し下がった眉毛に油断しそうになるけど、ここで自分に甘くしちゃだめだ
「そもそも私がバレーボールを辞めたのは、責任とか期待とか…そう言ったものに心が押し潰されて楽しいと思えなくなったからです。当時の私を知っている牛島さんならどんな状態か知っていた筈です」
「ああ……俺からしてみれば素晴らしかった。それに俺も同じ立場だった」
「だけど、牛島さんと私は違う。私はそれがきっかけでバレーボールが嫌いになりました。団体競技が嫌になりました。嫌だと思う中で強さは出せない。勝てない。そんな私に価値を感じていた人達はどう思うでしょうか?…そんな重荷から逃げたくてテニスに移行しました」
「…だが、それも逃げたんだろう?」
「そう…捉えられても仕方ないことは分かってます。ただ、その前に気づいたんです、気づかせてもらったんです。なにより楽しかったものは何か。何故私がテニスを始めたのか…その原点はなにか……それはバレーボールでした。その事に気づかせてくれたのは、徹くんと岩ちゃんです。そこから選手になることも出来た筈ですけど、私にもう一度団体競技をする勇気はその時にはなかった」
トラウマというのは簡単には克服できない
飛雄みたいに最強のライバルであり、最強の味方でもいない限りは…
「物凄く勝手だということはわかってます。でも、バレーボールの魅力を再び知ってしまってテニスをする気持ちも徐々に薄れていってしまった…そんな中途半端な中でテニスをしても後悔する。でも、なにも残せないままテニスを辞めるのも頑張ってる人を否定するようで、それはおかしいと思った。ここでも私は何も残さないつもりか?と。それからはテニスに全てをかけました。そして、全中で準優勝することができた。個人の結果は残せたんです。なので、テニスに後悔はなくなった。後悔があるとすれば、バレーボールに携われないこと。でも、さっきも言ったようにプレーするのはまだ怖かった」
「柚葵…」
「サポートで関われればいいと思って学校選びに迷いました。徹くんや岩ちゃんと同じ学校に行くと、きっと頼りっぱなしで意味ない。二人は優しく無意識で絶対の信頼で支えてきてくれるから。甘えてばかりだと、それこそ逃げることになる。1から自分で考えた事、誰も及川柚葵を知らない環境で成し遂げてみたくなった……自分の力ではなく、サポートで"皆"の手で全国を」
「…それで烏野にいったのか」
「はい。何にも捕らわれず自由に出来る学校な上、なにより"飛べない烏"と言われていた不名誉な異名……それを覆したくなったのも要因ではあります。私は今、選手ではないけれどサポートメンバーとして一緒に戦ってるつもりです。こちら側にきてよくわかります。必要とされる人間はこうやって思われてたんだなって」
一つ一つ殻がとれていくのがわかる
「私は未熟な子供のままでした。でも、今この瞬間に大人になれた気がします」
期待の裏側には絶対的な信頼があったんだ
「あなたをぶっ倒すのは私たちの烏野です。以後お見知りおきを」
「…そうか」
「いやいや!ウシワカチャンを倒すのは俺達だかんね!?」
「そうだ、烏野なんかに負けてたまるか。全国に行くのは俺たちだべや」
「いいですよ、受けて立ちます」
「それでも全国に行くのは俺だ」
視界がクリアになる
今までなんて私は幼稚だったんだろう
あれだけ翔ちゃんに雛烏といいながら期待をして責任を無意識に押し付けていた
私が嫌だと思っていたことを他人にはしていた
だけど、それはあの時考えもしなかったから
周りの目ばっかり気にして、息苦しかったあの頃には分からなかったこと
今なら分かる、なんであんなに必要とされていたか
「誰にも負けません」
今、この瞬間トラウマを克服できた気がする
言葉に出したら引っ掛かっていたものが言葉と共に出ていった
「牛島さんのお陰でスッキリしました。新しい私の誕生です」
「?」
「それまで待っててください。烏野はそこまでたどり着いてみせます」
もう過去は振り返らない
今、何をしたいかそれだけを考えていく
「柚葵が完全に克服しちゃった」
「いいことじゃねえか」
「でもきっかけがウシワカなのが複雑…!」
「それは同感だな」
もう大丈夫
「では、失礼します。また、会場で」
「!うん!」
「おお!」
「…ああ」
今日ここに来れてよかった


「柚葵!お前どこ行ってたんだよ」
「あー……苦手克服に?」
「はあ?」
「何て言ったら………あ、そうか。ねえ、烏養くん」
「?」
「バレーボールってやっぱり楽しいね」
「当たり前だろ」
「今度、スパイク打たせてよ」
「…は」
「見てるだけじゃつまらないでしょ?試合形式でもさせてよ」
「おまっ!ま、まさか!」
「そのまさか」
烏養くんが思わず嶋田さんに電話したのは言うまでもない

「どういう心の変化があったんだよ」
「もー!何回も聞かないで!」
「気になるんだよ!そんなに簡単なことじゃねえだろ!?俺たちがあんだけ言っても駄目だったのに!テニスにいきやがって!どういう風の吹き回しだ!?」
「…あれかな?みんなが過保護すぎた…?」
「はぁ!?」
「ほら烏養くん!第2試合も終わるよ!」
「柚葵、もう時間だから行こ」
「潔子さん!すみません!ほら、行くよ烏養くん!」
「釈然としねえ…!!」


「行くぞ!」
『アス!』
第3試合が始まる
相手は
『ひゃあっふぅーーーいっ!!!』
『!?』
「…流石はお祭りチーム条善寺」
試合前からテンションマックスだ
「相手がレシーブ選択しました。先サーブです」
「ハイ」
「いよいよ代表決定戦…やはり皆いつもより緊張している様に見えます…」
確かに…3年生の顔が固すぎる
負けたら、終わり
それを再び実感してる感じだ
「それいいなあああ!!かっけえなあああ!!月島の新しいメガネ!!!」
「日向この数週、毎日言ってるな」
「日向基準の"かっこいい"は不安になるからやめてほしい」
「あんだと!?」
ひどい言われようだな翔ちゃん
まあ、でも普段通りで頼もしい
その様子を見た大地さん達もいくらか緊張がほぐれたみたいだった

「整列ー!」
『お願いしアース!!』
あ、龍が行儀悪く中指たてて挑発しそうに……あ、よかった
大地さんが止めてくれてる
「一発目思いっきり行けよ東峰!」
「ウス!」
「烏野ファイッ」
『オース!!』
そして始まる試合
初っぱなの旭さんのサーブはレシーバーの腕を弾いた
カバーで何とか繋いだ条善寺で
「チャンスボール!」
「チャンボ!」
普通ならそう思うのに、相手はエンドラインから振り向きざまに強打を打ってきた
勿論チャンスボールと思っていた烏野になすすべはなく、エンドラインいっぱいに決められてしまった
「イエッヘェーイ!!」
「なんとも軽やかな身のこなしっ…!」
「今の一発でもセンスの良さがわかるな…」
「うちのチームにとってはお互い様なところあるけどね」
『?』
条善寺は何をしてくるかわからない
全力で"遊んで"楽しむチーム
要は
「失敗を恐れないチームってことデショ…厄介」
「失敗を恐れない…」
今だって手で届かないボールを足で拾って上がったボールを打ち落とされた
「なんともリズムが掴めませんね…」
「普通なら返球で精一杯になりそうな場面…ブロックに跳ぶべきか判断し辛いんだよな…」
「自由に遊んでるって感じですもんね…というか身体を自由に操れるところが凄いんでしょうけど」
だからか、普通の速攻とかをされると驚いちゃうんだよね…
そして、条善寺のサーブはネットにかかり烏野側へ
「ラッキー!ネットイン!」
「こんっニャロッ」
危うく落ちそうになったボールを反応した龍が拾い上げた
「田中ナイス!」
そのボールは壁へと飛んでいく
「!翔ちゃん!」
そのボールにかじりついた翔ちゃんがボールに届いたけど、そのまま壁にぶつかると
「スパイダーマンだーーっ!!」
思ったら器用に足をつき地面に着地
更に落ちそうになったボールを夕が相手コートの後ろへと落としてみせた
「うおーっ!!返したーっ!!」
「びっくりした……危うく翔ちゃんを医務室に連れていかないといけないかと思いましたよ…」
「すごいね、日向の身体能力」
「ですね……でも龍も夕も身体能力お化けですよ」
「ふふ…確かに」
「…どっちが最後まで遊び倒せるか……勝負だな」
次のサーブは飛雄
相変わらずの強烈なサーブが放たれたけど、そこからラリーが続く
最後に決めたのは
「キター!10番の超速攻ーッ!!!」
「ヘイ!影山!ヘイ!」
ビヂーン!!と変な音が鳴った
「アダーッ」
翔ちゃんと飛雄のコンビが決めてみせた
相も変わらずの飛雄のツンデレ具合だけども
「条善寺の動きは確かに読み辛いけど、ボールが消えるワケじゃなし、落ち着いて行くべ」
『うえーい!』
「さすが」
「大地さんしっかりしすぎてお父さんみたい…」
「ふふっ」
その後は取って取られてのラリーの攻防戦が繰り広げらていれる
「カバー!!」
「任せろ!!」
条善寺はなんというか、皆がボールをひたすらに追うって感じだ
今も間に落ちるボールを追いかけて人同士がぶつかってしまっている
「ばかたれ!ちょっとは譲れ!」
それに
「田中!」
「ナイスコース!」
龍がキレキレのストレートに打ったボールを条善寺は拾い上げ
「俺にも打たせろー!!」
「!?」
「セッターが攻撃…!?」
後衛にいる人がトスを上げ、セッターがスパイクを打ち落としてきた
「ハァア!?」
「まるで全員がオールラウンダーだね」
「オールラウンダー…?」
「あ、そっか…バレーボールはそんなに馴染みのない言葉でしたね。バレーでいうと、ポジションを固定せずどれでもできる人の事を言います。まあ、要は……今の飛雄がMBの役割の速攻とかブロックとかスパイクやレシーブをバンバン完璧にしたらオールラウンダーになるようなものですね。まあ、飛雄はほぼオールラウンダーみたいにチートですけど」
「だな……テニスでいうと、前衛と後衛どっちもできるってやつだろ?」
「そう、それです」
「それこそ…お前だな」
「…それに関しては、その通りです」
「条善寺がまさにそんな感じなんだよな。どの役割も全員が出来るんだろう」
「バレーボールにおいてそれが普通に出来ることはすごい事ですけどね…」
「なるほど…それもあってか条善寺高校のバレーボールは見ていてとても楽しい」
「それは異論無い」
「自由奔放な攻撃なら、ウチの日向君・影山君は負けませんよ!」
その言葉通り翔ちゃんと飛雄は変人速攻を決めていく

「旭!」
旭さんのスパイクは惜しくも相手レシーバーの前に
「ナイス土湯!!」
「!」
そのボールに相手のセッターが思いっきり振りかぶった
それを読んでいた飛雄はブロックに………ん?
「やばい」
「柚葵?」
「烏養くん!孝支先輩呼んで!」
「あっ!?」
とりあえず私はティッシュを用意する
まさか、君が第一号だとは思いもしなかったよ
「うわあああ!!!」
『影山ァァア!!!』
「影山あああ死ぬなああ!」
こっちを向いて鼻から血を垂れ流す飛雄にそう心で呟いた




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