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『貴方の…名前は?』

「天海です。こう見えても僧なんですよ」

『そうなんですか!?』


びっくりした様子の彼女を見て私はクスリと笑った


「今は…そうですね」












見た限り本当に記憶を無くしてるようで、ふんわりとした雰囲気の羅唯を見てまたクスリと笑った。


『よく笑う方ですね』


クスクスと彼女も笑いまた。つられてまたクスリと笑みが零れた。


「初めて言われましたよそんな事…」


私は遠くから気配を感じて彼女から少しずつ遠ざかった。


「私はこれで…」

『また…お会いできるといいですね』

「またお会いできますよ…必ず、ね」


私は微笑みながらその場から立ち去った。





























『…私も帰ろう』


見とれていたけれど気付けば綺麗な花畑が血で染まっている。

足を早めてその場から離れた時だった。


「……羅唯」

『あ!佐助っ!』

「“あ!佐助!”じゃないでしょ」


やっぱり少し佐助は怒った様子だった。












貴方に…優しい




(言えば良かったですね…賊に襲われたなど嘘)
(心を穏やかにする為にただ切り刻んでいただけの事…)
(貴方のせいで虫の居所が悪いのです…っと)



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