処女宮に処女膜を捧ぐ | ナノ

処女宮に処女膜を捧ぐ



「ずっと、僕のそばにいてください……」
 その言葉を合図にゆっくりと颯斗と月子の唇が近づく。
 はじめは軽いキス。挨拶の、キス。
 次は好きですと伝えるようなキス。甘い、キス。
 そしてキスはどんどん深くなっていく。
 まるで颯斗が月子の唇の中にある泉を探しだすかのように己の舌を動かす。月子の口内を犯していく。
 その深いキスに月子はクラクラしそうになる。甘いキスにめまいを覚える。
 月子の口の中を堪能したのか、颯斗はそっと唇を離した。彼の唇の温もりが離れると同時に紡がれたのは銀の糸。
「ふふ、顔がとっても赤いですよ?」
「そ、それは颯斗君が……」
「僕が、なんですか?」
「……わかっているくせに」
 ふっと月子が顔をそむけた。繋がれた銀の糸はプツンと切れた。
 それが、もったいないと感じた颯斗はもう一度月子の唇を奪った。
「んんっ……」
「ダメですよ……僕から顔をそむけちゃ。さぁ、月子さん。どうして顔が赤いんですか?」
「そ、それは……は、颯斗君がキス、するからです」
 満足する答えが返ってきた颯斗はそれに答えるかのような笑みを浮かべて、
「ふふ、これからもっと顔が赤くなるようなことをするのに。最初から顔が赤いなんて先が思いやられますね?」
「もっと顔が赤くなるって……きゃぁっ」
 ふぅっと颯斗が月子の右耳に息を吹いた。その、ゾクゾクするような感覚に月子は身体を震わせる。
「また、顔を赤くしましたね? 月子さんは耳も弱いんですね。また一つ新しい月子さんを見つけました」
 颯斗は月子の耳元で囁きながら耳穴に舌を侵入させる。
 ピチャ、ピチャと耳元で奏でられる音に月子は恥ずかしくなり、逃げ出したくなる。しかし、彼女の身体は颯斗によって逃げ出せない状態に陥っていた。
「月子さん、逃げちゃダメですよ」
「だって、颯斗君くすぐったいんだもん」
「くすぐったいって……つまり、別の方法で貴女を悦ばす必要があるってことですね?」
「悦ばす……?」
 颯斗の言葉に月子は首をかしげる。
 そんな彼女の仕草に颯斗の心が踊る。
(この人は自分が今、どんな顔をしているのかわかっているんでしょうか? その表情が僕の心を刺激しているってわかっているんでしょうか?)
 月子の顔は赤く、しかし与えられた刺激のせいなのか瞳がわずかにトロンとし始めている。
 まだ乱れていない呼吸が乱れ始めた時、もっと煽情的な表情をしてくれるのかと思うと颯斗は月子にもっと触れたくなる。
「月子さん、いきますよ……」
 颯斗はもう一度月子の唇を奪った。お互いの息ができないくらいに長く、深いキスを月子に与える。
 苦しいよ、と月子が颯斗の胸板を叩くまでキスは続けられた。
 唇を離すとまた銀糸が紡がれる。
 そして、月子は失った酸素を取り戻すために深呼吸を繰り返す。
 その呼吸がとてもいやらしい。颯斗はもう一度月子の吸っている酸素を奪いたくなる衝動に駆られるが、ここはぐっと我慢した。
「月子さん……」
 颯斗は吐息を漏らしながら月子の名を呼ぶ。なぁに、と月子は呼吸を整えつつその声に応える。
「そろそろ……僕に月子さんのすべてを見せていただいてもよろしいですか?」
 颯斗の言葉にコクリと月子は頷く。それでは、と言って颯斗は月子のブラウスに手をかける。


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