姉の妄想/無印後・双子+アスラン
姉の妄想
戦いが一端の収束を見せ、戦いに疲れた戦士達は傷を癒していた。
「・・・・何だ?キラ。
急に畏まって」
というか、今日はキラの隣にいるアスランに用事があって来たのに。
カガリは首を傾げた。
私キラに何かしたっけ?
アスランも困ったように眉毛を下げて、しょうがないなと思っている風だ。
一体何だ?
「あのね、カガリ」
「うっ、うん?」
キラは瞳をキラキラさせて見詰めてきた。
実は私この瞳に結構弱かったりするのだ。
「『お兄様』って呼んでくれない?」
「は??」
「この前、僕とカガリは兄妹だっていうことわかったでしょう?
だから、こういうのはきっちりとけじめをつけておきたいと思うんだ」
キラは続けて言った。
カガリはキラの言葉に数秒固まった。
「(キラも、まぁ。自分の欲望をよくここまで正当化できるな・・)」
アスランは若干呆れ気味で苦笑いした。
「ねっ、カガリいいでしょう?」
「だっ、駄目だ!!//」
「なんで?」
キラは少しむっとして、カガリを見詰めた。
見詰めたと言うより、睨んだという表現の方が正しいかもしれない。
「だっ、だって・・・キラは私の弟だ!!」
「違うよ、僕はカガリの兄だよ?」
「「う〜〜」」
キラとカガリは睨みあった。
「そういうどうでもいいところがお前ら双子だな・・」
しみじみとアスランが言う。
「「じゃあ、アスランは!?」」
「へ?」
「「アスランはどっちが上だと思う?」」
キラとカガリはアスランを見上げた。
「・・・・・うーん。
そうだな。うーん。
俺にとってはどっちも危なっかしいからな。
けど強いて言うなら・・」
「「強いて言うなら?」」
「カガリの方が放って置けないかな?
傍にいて見張ってないと何をしでかすと分からないしな」
そう、大好きな大好きなたったひとりの女の子。
比べるもない。
カガリに言ったら怒られるかもしれないけど、何だかんだでキラは男だ。
自分のことぐらい自分で守れるさ。
「ほら、見なよカガリ。
アスランは僕の方が上だって」
「・・・・・・///」
キラはえへんと腰に手を乗せて偉ぶる。
しかし、カガリはそれに答えず顔を真っ赤にして俯いている。
「「カガリ?」」
不思議に思ったアスランとキラは首を傾げる。
「ぃゃ、・・・嬉しかったから・・・」
「へ?」
ぎゅっ
「ええ???///」
「アスラン・・」
カガリがアスランの腰に手を回して抱きついた。
「ちょっ、アスラン、カガリに何してるの!?」
「してるんじゃなくて、されてるんだろう?//」
「言っておくが、私よりお前の方がずっと危なっかしいぞ!」
「そっ、そんなことは「あるだろう!!」
「うっ・・」
アスランは押し黙った。
「私も、ずっとお前のこと見張っとく。
ずっと傍にいる」
「カガリ・・//」
アスランも強くカガリを抱きしめた。
「・・・・やってられないんだけど」
キラはそんな二人を見てヤレヤレの気を利かせて、
部屋に戻ろうとした。
「あっ、キラ」
「ん、何?」
「・・・・っ・・うあ・・」
「?」
「うん!そうだよな」
「?」
「『お兄様』、あんまり無理するなよ」
「へ??」
「・・カガリ?」
キラとアスランは怪奇なものでも見るかのように、
カガリをマジマジと見詰めた。
「なっ、何だよ!?お前が言えっていったんだろ!?
もう、知らん!!やっぱり私が姉だ」
「ちょっ、カガリびっくりしすぎて固まっちゃった。
もう一度言って!!」
「イ・ヤ・ダ!!キラの馬鹿!!
アスラン行こう!!」
「・・ああ」
カガリはぐいっをアスランの服の袖を掴む。
アスランは頷いて、カガリに続く。
取り残されたキラは唖然としていた。
「(お兄様って・・・良い・・かも)」
END
時間軸が謎すぎる。兄の妄想は宇宙に上がってすぐで。
姉の妄想は戦争だ終わってすぐです。結局アスカガで終わる。
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