あなたを想うだけで傷だらけです | ナノ
パロディノベル



  初恋 -just I thinking of only you-


初恋@

-just I thinking of only you-


いつも同じ時刻、きっちり8時15分の電車に乗っている隣の高校の男子学生。
名前はアスラン・ザラ。
知っているのはそれだけで、それも偶々彼の友達がそう呼んでいるのが聞こえたから。
話したことなんてもちろん一度もなくて、

けど毎日同じ電車に乗って姿を探してしまう。



「・・・その人を見てるとすごく顔が熱くなって胸がドキドキするんだ。

なんかの病気かな?」


って友達のフレイに言ったら、


「カガリに遂に春が来たわ〜!!」


って叫んで、帰りにアイスを奢ってくれた。


「今は夏だぞっ」



と言うと、フレイにばかっ!って怒られた。


「そういう意味じゃないわよ!

カガリはその人のこと好きなの!」


・・・分からない。好き?

好きってどういう気持ちなんだろう?
けど、あの人のことを思うとドキドキして胸が苦しい。
会いたいのに会いたくない、すごく矛盾してる。
こんな気持ち初めてだ。


それからしばらく経って秋に差し掛かったある日。
その日は文化祭の準備で帰宅時間が遅くなってしまった。
その帰りの電車で彼を見かけた。
胸がドキドキした。

帰りの電車で見かけたことは一度もなかったから凄い嬉しかった。



「(・・・声、掛けてみようかな)」


だけど、そんな思いもすぐに壊された。

・・・彼の隣に女の子がいたから。
目がくりくりしてて、髪の毛はふわふわした桃色、肌が白くて、優しそうですごく可愛い子。
・・・・彼女さん、いたんだ。
私とはまるで正反対。

優しそうで纏う雰囲気はとても柔らかくて甘いお菓子みたいな女の子。

すごくショックだった。
私が彼女より可愛くなっかたことじゃなくて・・、

今ごろ気付いた。
・・・私、彼のこと


「好き」



なんだ。

好きってこういうことなんだ。

私は電車から降りた後の帰路地でポロポロと涙を流した。




その日から、朝乗る電車の時間を遅くした。
彼とは全く会わなくなった・・・って、それもおかしい私が一方的に彼を見ていただけなんだから。

私の初恋は、・・・自覚してすぐに失恋してしまったんだ。


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