また、再び





まさかもう一度、あいつと組むなんて思ってもみなかった。


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高校三年間の野球を終え俺は大学に進学した。勿論、そこでも野球を続けた。高校卒業前に田島に「阿部はプロになんないの?」って聞かれ、「俺は大学行ってから考える。」とだけ伝えた。聞いた張本人はプロ志望届けを出し、ドラフト1位でプロ入りを決めた。

そして、大学卒業前に"これからも野球がしたい"という想いは変わらず、プロ志望をし某球団に所属した。
が、運が良いのか悪いのか、シニアでバッテリーを組んだ事がある榛名元希もその球団に所属していた。

榛名は5年前にドラフト1位でこの球団に入り、今や1軍選手だ。しかし、この球団は捕手が少なく俺は捕手育成を受けることになったのだが、監督と正捕手の意向で組んだ事のある榛名とバッテリーを組むことになった。気持ちは有難いのだが、ちょっと気持ちとしては複雑だ。

監督と正捕手の話が終わるとその場は榛名と二人っきりになる。榛名はニッと笑って

「お前、また痣作っちまうんじゃねーか?」

って、失礼なことを言ってくる。あの頃の俺は経験が少なかった為、痣をあちこちにつくっていたが、今は昔とは違い大分経験はしてきた。ノーコンでなければ取れる。

「昔とは違います。元希さんが変なコントロールしなきゃ取れます。」
「お前なぁ〜!相変わらずナマイキな奴だな。俺だって昔とは違ってコントロールも良くなってんだよ。」
「それは取ってみなきゃわかんないっすよ。」

この5年でコントロールを付けていい投手になったのは知っている。けど、あえて挑発的な発言をして榛名のやる気を更に引きだたせる。ムキになった榛名はその実力を見せつけるべく、ポジションで構える俺のミット目掛けて豪速球を投げた。バシンとミットに収まった球は重くズシンと手にジンジンと伝わってくる。初めて榛名の球を取った時もこんな感覚だったなと思い出す。

「ナイスボールです元希さん。」

そう言ってボールを投げ返す。榛名はボールをキャッチすると、こっちを見て「だから言っただろ?」と言いたげな目をしている。ほんと、そういうところは相変わらずだ。もう一度振りかぶる榛名を見てグッとミットを構え思う。

今度こそいいバッテリーになれるんだろう。
そうですよね、元希さん。











あとがき(と言うなの言い訳)
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私は野球のことは無知なので、ドラフトとか捕手育成とか、使い方と言い方間違っていたらすいません(>_<)ちゃんとネットとかで調べたのですが、イマイチ分かってないです。読んて下さりありがとうございました。





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