08 お弁当には必ず玉子焼き
暫くブラブラした後、ようやく目的の洗剤やら買って寮へ帰宅。夕飯まで暫く時間があるので、自室で休むことになった。
「村上君、洗物とかない?俺、試しにこの最新型洗濯機を使って見たいんだっ!」
ようやく洗剤も買ったのに、使わないなんて勿体ない!けど、自分の洗物だけじゃ洗剤の無駄遣いになるし…
と目で訴える俺。
「…昨日着たやつならあるかな。使い過ぎて壊すんじゃねーぞ。」
「大丈夫だよ!早く洗物持って来て。」
「はいはい。」
ほらっと言って渡された衣類を自分のと一緒に入れ、洗剤と柔軟剤をセットしフタを閉め開始ボタンを押す。
「終わる頃には洗いたてホカホカだよ!」
「はいはい、それまで風呂掃除宜しく。俺は明日の弁当の仕度するから。」
「ラジャー、玉子焼きは絶対にいれてね!」
「わかった。」
明日は村上君お手製のお弁当だと思うと楽しみで仕方なく、玉子焼き以外は何を居れるのかな〜とか考えながらお風呂掃除して予約焚きにしておく。大昔は薪に火をつけて起こしていたのが、今ではボタン一つでお風呂が沸かせる。科学の発達ってのは本当に素晴らしいよね!
掃除が終わった頃にタイミングよく玄関のチャイムがなる。
「やぁ、そろそろ夕食行かない?」
少し長めのボーダーカーディガンに、中は白のT-シャツにジーパンというラフな格好でやって来た崎森君。
顔立ちがいいとラフスタイルも決まってますね。
「何か美味しそうな匂いするね?」
「うん!村上君が明日のお弁当作ってくれてるんだぁ〜」
「へぇ、いいなぁ…」
奥からエプロンを外しながら村上君が玄関先へやってくる。
「もうそんな時間か。」
「うん、あのね崎森君も村上君のお弁当食べたいって!」
「えっ?ちょっと…篠宮君!?」
いいでしょいいでしょ?と村上君を見上げながらお願いしてみると、苦笑いしながらも了承してくれた。
「ご、ごめんね…」
「いいって。弁当作るならどうせ多い方が、おかず余らなくて済むし。」
でました!村上君のイケメンスマイル。
そして美男子の照れ笑い。
実に凡人の俺がハミってる。
「村上君のお弁当は明日の楽しみにして、混む前にご飯食べよう?」
「そうだな。」
「うん。今日のディナーはイタリア料理なんだよ。シェフの作る生パスタはすっごく美味しいよ。」
「生パスタ!?それは豪華に違いない…」
「美味いじゃなくてか?」
「村上君……ここの美味さは昨日、保証された。」
「なんだそりゃ。」
少し早めに寮内にあるレストランに行き,今夜のイタリア料理の美味さに感激し、3人で夕食を楽しんだ。
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