バスケ部紹介



「サッカー部の皆さんありがとうございましたー。最後にバスケ部の皆さんに出てきてもらいましょう!」



壇上には私の知っている赤があった。赤の隣には水色があった。
遠くてあまりよく分からないがあの水色もとても綺麗だと思う。



「こんにちは、バスケ部副キャプテンの赤司です。一年生の皆さん入学おめでとうございます。」



赤司君と水色の人は一緒に頭を下げた



「先ほどまで、出ていたどの部活動よりも強いのがこのバスケ部です。去年の全国大会では念願叶い優勝しました。といってもあまり分からないと思います。小学校の体育と部活動のバスケがどれだけ違うのかぜひ皆さんに見ていただきましょう」



赤司君はそう言うと持ってきたボールを隣にいる水色の人にパスをした。
そしてその水色の人は体育館の横にいる人にパスをした。そのパスはとても速く体育館全体が「おおー」という歓声に包まれた。
そのパスを受けた人の髪は紫色だった。紫色の髪をした人はそのままドリブルをし、緑色の髪の人にパスをした。
体育館のステージの上から始まったボールの移動は二年の最後列の後ろまで来た



「一年生は見えないかもしれないので、ぜひ立って見てください。
バスケットボールは遠くから入れると点数が多くもらえます。それをぜひしてもらいましょう」



赤司君がそう言うと緑の髪の人はスリーポイントラインから遠く離れたところからボールを打った。
そのボールの軌道は大きく。本来のスリーポイントを打つときと滞空時間が違った。
ボールの高さに一年生から「おおー!」と声が上がったかと思うと、そのボールはリングに綺麗に収まった。バスッという一番いい音を鳴らして。
綺麗に入ったスリーポイントに大きな拍手が起きた。



「皆さん、ダンク、というものを見たことがありますか?プロの選手でもあまりしないダンク。中学生の間では出来る人は限られています。それではダンクをしてもらいましょう」



緑の髪の人が入れたボールを拾い青い髪の人は反対側のゴールまでドリブルをした。そのスピードは普通に走っている人とそう大差はないように思えた。
青い髪の人がジャンプし、掴んだボールはガーンというリングの音とともにゴールに入っていた。
始めて見るダンクに歓声と拍手があがった。



「ダンクは身長が必要ですが、先ほど見せたシュートなら練習すれば誰でも打てます。ぜひ皆さんバスケ部へどうぞ」



赤司君の言葉でバスケ部の時間は終った。



「バスケ部の皆さんありがとうございました。すごかったですねー。
今日の放課後から仮入部が始まります。興味のある部活動にぜひ足を運んで見てください。」



司会の言葉が終わり、私達は教室に戻った。









先ほどのバスケ部の勧誘はすごかったと、思う。
バスケはあまり小学生がするスポーツではない。そのバスケに引き込むのに一番いい方法だったと思う。
気になったことはプレイをしていた人たちの髪の色が皆普通ではなかったことだ。
赤司君の赤も綺麗だ。それに加え、水色、紫、緑、青。世界は広いなと改めて思った。



私が席に着いて、少したつと赤司君が帰ってきた



「バスケ部すごかったね」
「ありがとう。気に入ってもらえたかな?」
「うん。バスケを知らない新入生にはとてもいい勧誘だったと思う。」



野球部の人たちも教室に帰ってきた。
私の斜め前の男の子も帰ってきた



「金城、どうだった?俺らの」
「野球部なんて毎年大体同じじゃない、バスケの勝ちかなー」
「まじかー、くっそー、ダンクとかマジずりいよ、赤司」
「あはは、そうかな?」
「お前はどう思った?」



野球部の人は私に突然話しかけてきた



「え、あ、うん、周りの人にはうけていたと思う」
「周りの人ってことはお前はあんま面白くなかったのか?」
「え、いや、そういうわけじゃ」



そういう切り替えしをされるとどう答えたらいいか思い浮かばなかった。



「お前あんま、嘘とかつけねータイプかー。なるほどなるほど」
「ごめんなさい」
「いや、そういうのいいと思うよ」



なんと答えたらいいか分からなくて私は笑って返してしまった。



「それで、白川さんはバスケに入る事にした?」



赤司君は昨日それとなく断ったのにまた同じ事を私に聞いた。



「なんだ?マネージャーか!?」
「え、うん。マネージャーならバスケより野球の方が興味がわいたかなー」



そういうと野球部の人は



「野球のマネージャー大変だぞー。先生すげー恐いし。やめといたほうがいいと思うぜ」
「そうなの?」
「まあ、どうしてもってなら俺が推薦しとくしとりあえず今日見にこいよ」
「あ、ありがとう」



この坊主のひとはとても優しいと思う。私の話も聞いてくれるし、まっすぐな目をしている。

先生が教室に入ってきて教室は静かになった。先生はこれからの日程などを話していた。



「赤司君」



私は小さな声で隣にいる赤司君に声をかけた



「どうした?」



赤司君も私と同じように小さな声で言った



「あの野球部の人なんて名前なのかな……?」



自己紹介のとき特に注意して聞いていなかったので、私は野球部の人の名前を知らない。
赤司君は私の言葉を聞いて今までで一番笑ったように思えた。



「佐藤だよ」
「ありがとう」



先生の話が終わり、今日もこのまま解散になった。私は佐藤君に話しかけた。



「今日、見学に行ってもいいかな?」
「おう、じゃあ、一緒に行くか」



私は佐藤君について運動場へ行った。






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