▼ 3日目
『ん........』
AM 5:30 名無し起床。
折原家のベットを借り、暫く仮眠していた名無し。
隣に人の気配を感じ、隣を見ると綺麗な顔立ちをした臨也の寝顔がそこにあった。
(黙っていればイケメンなんだがなぁ...って、なんで此奴私と寝てるのこいつ!?)
自分の置かれている状況に気付いたのか、名無しはハッとした。
『いぃぃいいいぃいぃざぁああぁぁぁあああぁやぁあああぁあぁさんっ!!』
「.....ん、煩いなぁ。まだ5時30分じゃない」
『あぁ、そうでした。起こしてすいません...じゃなくて!何で私と寝ているんですか!?』
「えーだって、ここ俺ん家のベットだし、名無しちゃんそういうこと言える立場じゃないでしょ?」
ニコッと名無しに笑いかけてくる。
『うぐっ...そ、そうですけど...とにもかくにも!これからはソファーで寝させていただきます!!』
「あぁ、それなら問題ないよ」
『いや、いいです。って...?』
「君の部屋、用意しておいたから」
と言い隣の部屋を指さす臨也。
『え、いいの!?あ、ありがとうございます!』
「部屋のクローゼットに名無しちゃんの服入れておいたから。それ着てね」
『そんなことまで...ありがとうございます!部屋、見て来ていいですか?』
名無しの部屋はモデルルームをそのまま持ってきたような部屋になっていた。
『うっわ...なんか、すごい』
感嘆の替えを漏らしつつも名無しは着替えることにした。
♂♀
臨也の用意した服を着て携帯をポケットに入れ、名無しは部屋を出た。
リビングに行くと臨也が既に仕事をしており、「出掛けるの?」と聞かれその言葉に頷く名無し。
ぎろ
『よっしゃ!!行くぞ、待ってろ池袋ぉおおぉ!!!』
名無しは気合いを入れ、玄関に向かおうとしたとき臨也に止められた。
「まぁ、待ちなよ。」
『何ですか、止めないでください。池袋が私を呼んでいるんです』
仕事机のパソコンをいじっている臨也をギロっと睨む。
「名無しちゃん、お金も何もないのにどうやって池袋に行くのさ」
『あ...。そ、それは歩きで行きます!!』
「ふっ、まあ徒歩で行けないこともないもんねぇ」
『(こいつ今馬鹿にした!)そうです!歩いて行けます!!』
「でも、お腹すいたり何か欲しいものあったらどうするのさ?」
(そりゃ欲しいものあったり、私も人間だからお腹すくけど!!)
ぐうの音もでない名無し。
「そうだよねぇ、君も人間だからお腹すくよね」
『心の中読まないでください...!その時はどうにか頑張ります!!』
「まぁ、俺もそこまで鬼じゃないから」
『?』
名無しの方へ近づき、はいっと臨也から手渡された3枚の紙。
『ふぇ!?い、いやいや!!申し訳ないですって!!』
名無しの手には諭吉が3人並んでいた。
「気にしなくていいよ。それに名無しちゃん生活する上で必要なものとかあるでしょ?それも含めて買っておいで」
『(神か...!!!)ありがとうございます、いやもう本当に!』
何度も頭をさげお礼を言う名無し。
「俺は神なんて信じていないけどね。まぁ、この分はバイトでもして返してもらおうかな」
『あ、そうか。でもどう返せばいいですか?私、頭の方はあまりよろしくないから...』
「あぁ、そういう難しいことは頼まないよ。簡単なことだけ。それに名無しちゃんが頭いいなんて思ってなかったから」
ひらひらと手を振りながらニコッと笑う臨也。
(言い返せない自分がムカつく!!こいつの顔殴りたい!!)
「そうだね、ご飯とか作ってもらおうかな。そうしよう」
イラつく名無しを横目にうんうんと一人頷く臨也。
『まぁ、ご飯くらい作れないことないですし、その条件のみます』
こうして臨也のもとで雇われることとなった名無し。
再び玄関の方へ足を向けマンションを出た。
『行ってきます!!』
「うん、いってらっしゃい。気を付けてね」
彼女は期待で胸を膨らませ、軽い足取りで池袋の街へ向かった。
3日目 End.
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