「・・・こんなもの、家にあったかしら」
任務のない休暇にて、アリスは古い巻物を手に首を傾げていた。
そういえば先日火影邸の書庫から目ぼしい読み物を持って来たから、それに紛れていたのかもしれない。
「まぁいっか」
思い出せないものは仕方がないし、今からサスケと修行の予定が入っている。
この件はまた時間があるときに考えよう。そう考えたアリスは巻物を元あったところに戻した。
──否、戻そうとした。
「、あ・・・」
不意に手にあったそれが零れ落ちる。紐の解けた巻物が、床に広がった。
それ以来彼女を見た者はいない。
プロローグ
(予想外の強制スタート)