雫が落ちて

今日も終わらない私の刑
でもあと一年、一年でこの痛みと苦しみから解放される。

「さて、あと300日ほどですが」

丹念に円を描くように、あいつが私の肩を踏み砕く。

「あ゙ああッ…」

肩を駄目にしたらすかさず脚は顔へ。左頬に脚を乗せられ右頬は地面に擦りつけられる。
痛みに悶えている私を見て、彼の瞳は静かに燃えていた。

「あなたが行ってしまうなんて、ここもつまらなくなりますね。刑期を改竄しましょうか?そうしたらもっと一緒にいれますよ」

地面に押し付けられてひれ伏すように見上げる私を見て、鬼はため息を吐く。
それは身を焼くような焦熱による汗なのか、痛みによる生理的な涙か。雫が一筋顔を伝って地面を湿らせる。

「ほおずきさまぁ………」

懇願すればするほどに、彼は妖しく口の端を歪ませる。

title:31D

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