目を閉じる瞬間に愛を叫んだ

彼は女好きで有名だった。
私に言い寄ってきた時も、どうせ軽い遊び程度の関係を持つためだろうと思って、私もそのつもりで相手をしていた。
付き合ってから順調に一ヶ月が経って、あの彼が何もしてこないから不思議になって聞いてみたら、彼は顔を赤らめた。

「……いいの?」
「え…、だって私達恋人でしょう」

焦り出す彼。あれ、こんな人だったっけ。

「あ!あのね!名前ちゃん!」
「なあに」
「僕、君にだけは軽い男って思われたくないの!」

「それはどういう…」と理由を聞く前に、白澤さんが目を閉じた。目を閉じて、こう言った。

「愛してるよ!」

そう言って押し付けるようなキスをした後の、彼の真っ赤な顔に私の心は見事ど真ん中を撃ち抜かれたのだった。

title:31D

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