僕の頬に、涙
【強がる私無視して...】と同設定
名前は振りかぶって思いっきり僕の頬をぶった。おかしい。
今までこんなことは何度も、それこそ数え切れないほどあった。
なら何で僕はこんなに呆然としているんだろう。
何故この場に固まって動けないんだ。
「名前…」
出た声は驚くほど小さくて掠れていた。これっぽっちじゃ彼女に聞こえない。
そうこうしているうちに名前の背中はあんなに小さくなっている。
今呼び止めれば何か変わるのだろうか。
「待って!」
こんな顔何万年ぶりだろう。
涙でぐずぐずのみっともない顔。
でもこんな顔、君にしか見せれない。
title:31D
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