赤い糸、そんなものでも信じて

“白澤さまっ”
“どうしたの?”
“運命の赤い糸って、ほんとにあるんでしょうか?”
“うーん、どうなんだろうね”
“下界では運命の恋人たちは赤い糸で相手の小指同士が繋がっているというのをご存じですか?すごいですね!”
“そうだね”

そんな話をした日の次の朝。左手の小指に、違和感。

「なにこれ」

左手を顔の上まで持ってきて、何かついてるのか?と確かめる。

「!」

私の小指に絡まって垂れているそれの行く先を、身体を起こして追いかけた。

「あ…」

白澤さまにも。

「んん……あ、名前おは…ってどうしたの?」
「白澤さま!私嬉しいです!」
「朝からこんなにくっついてくれるなんて僕も嬉しい限りだよ」
「これ見てください!」

左手の小指を白澤さまの前まで持っていった。白澤さまは何故か照れたように「あー…」と言葉を濁されている。

「私たちも繋がってましたよ!」
「……うん」

白澤さまはその後私を何度も何度も抱きしめてくれた。


「鬼灯さま見てくださいこれ、運命の赤い糸です!」
「新手のプレイですか白豚」
「お前のせいでブチ壊しだよ」

title:31D

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