記憶 (3/7)


本当のことを打ち明ければ中学生時代の私と赤木しげるの共通点など蟻んこの足ほども無かったし知り合ったあとも彼の元来の性質故か言葉を交わしたことはあまり無かった。

しかしそのような彼の性質やら性格やらを語れるほど私たちは長く共にいたわけでもなく、私が一言で彼をそう語ってしまうのはなんだか彼に失礼だ。

当時13歳だった私たちは同じ学級に所属しながらもお互いのことなど大して興味も抱いていなかっただろう。
当時の私は同じ学級の女の子達の話についていくのに夢中であったし、彼は彼でその容姿、風貌で中々に危なっかしい学生生活を送っていたみたいだし。

ただ、二人共子供のくせに何処か冷めていて生きていくことに飽いていたのかもしれない。

同じことの繰り返しにうんざりしていたのだろう。

私が赤木しげるに声をかけたのはきっと、彼から滲み出る非日常の匂いを無意識のうちに感知したのではないかと、今はそう思っている。





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