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榛名さんとのいざこざで、心身共にぼろぼろになりかけてた隆也に私は出来る限りのことをしようと頑張った。実際、それが隆也の支えになれたのかはわからないけど、少しでも隆也が楽になれるように私はできる限りの事をやったつもりだ。


そうして榛名さんがシニアを抜けてどうにか立ち直った隆也と私が中学三年生になった四月。私はいつものようにシニアの方に顔を出した後、いつもより少し早めに抜けて、父親との待ち合わせ場所に向かっていた。今日は姉の誕生日で一緒にプレゼントを選ぶために六時に駅の方で待ち合わせしていたのだ。母親も凄く一緒に行きたがっていたが、生憎夜からの仕事なので渋々諦めていた。

私は予定より十五分ほど早く着いたので取り敢えず到着のメールを父親に送り、近くのベンチに座って待っていた。すると後ろから肩を叩かれた。もう来たのかと思って振り返ったら、そこには知らない男の人三人ほど立っていた。

「何ですか…?」

見た目がすごく不良っぽいというか、とにかく派手な格好をしている。アルコールが随分と入っているようにも感じて警戒しながら小声で尋ねると、真ん中に立っていた人がニヤリと笑い「一人?」と問いかけてきた。父親と待ち合わせしているのだと告げると、今度は別の二人が私の左右にいきなり座ってきて挟み撃ちにされてしまった。

「じゃあおとーさんが来るまで俺たちと遊ぼーぜ?」
「そうそう。ほら!」
「えっ、ちょっと…っ」

口調からしてあぁ、やっぱり酔っ払いだと確信した。だけど逃げようとしたら私は両腕を強く引っ張られてしまった。周りには決して多くはないが人は歩いている。しかし誰一人として関わろうとはしてくれなかった。

連れて行かれた場所は、人気もなければ明かりも少ない。私はそこの地面に無理矢理押し付けられ、両手を拘束されて身動きが取れなくなった。

「うへへ…可愛いなぁ」
「だろー?ヤベェよなぁ」

これから何をされるのか理解できないほど無知ではない。必死に止めてくれるようにお願いしたが止めてくれる気配はなかった。恐怖で段々声が出なくなり、もう涙と嗚咽しか零れない。

「…っ、く…やめ…ッ」
「じゃあやるかー?おめーらしっかり押さえとけよ」
「いいけど俺たちにも後からやらせろよー」
「わかってるってぇ」

先程真ん中に立っていた人が一番先に私の上に覆い被さってきた。この時はセーラー服を着ていたため、上はあっさり脱がされ、スカートの下から下着もとられてブラとスカートだけという状態にさせられてしまった。そうしていきなりの愛撫が始まる。私は口も押さえられているため、叫ぶこともできない。

「…ッ…う…ぅ…」

ザラザラした舌が首から鎖骨へと動き、遂にはブラも外された。そこに現れた膨らみの頂にその男は豪快にしゃぶりついては、荒い呼吸で身体を密着させてくる。周りで私を押さえている二人も今にも襲いかかってきそうな目で私を見ていた。
あぁ、もう終わりなんだ。このままどうする事も出来なくて最後には殺されるんだ、と絶望的になっていた時、誰かの声によって私は現実に引き戻された。

「名前!」

その声に気を削がれたのか男達の口元を押さえる手の力が一瞬緩まった。

「…お父さん!!」

私は必死で絡み付く手を振りほどき父親の元へ走った。上は何も纏っていない状態だったが迷わず父に抱きつく。父はそんな私に自分の上着を着せ、自分の後ろに私を隠した。

「大丈夫か?ごめんな、遅くなって…」

私は父の上着を震える手で必死に掴みながら、大きな背中に頭を擦り付けた。すると、さっきの男達が騒ぎだす。

「オイおっさん邪魔すんなよ!!」
「黙れ!お前らは今から警察に行くんだ、おとなしくしてろ!!」

父は携帯を取りだし、警察に連絡しようとした。その時だ、一人の男がこちらへ向かって来たのは。

「テメェふざけんなよ!!!」

私は殴りかかってくるのだと思い、立ち向かう父に変わって警察に連絡しようとした。殴り合いなら父でも勝てる。そう思っていたのに。









なぜか目の前に父が倒れていた。

「えっ…」

見上げると、血塗れのナイフを持った男が一人。そしてその下には苦しそうに胸を押さえる父の姿があった。

「お…とうさん…?」

一体何が起こっているのか理解出来なかった。頭が真っ白で、何も考えられない。

「ヤベェ…お前ら逃げるぞ」

男達はさすがに頭に上った血が下りたのか、すぐに現状を把握し、周りに人が集まって来る前に駆け出した。その場には私と父の二人だけが残ったが、すぐに人が集まって来た。

「お父さん!お父さん!起きて、しっかりして!!」

私は自分が血で汚れるのも構わず、必死にしがみついて叫んだ。周りでは、流石に警察を呼んだり救急車を呼んだりしてくれているようだが、この時の私は父親しか視界に映っていなかった。パニック状態に陥り、もうわけがわからない。そんな時に、彼が私の前に現れた。

「名前!!」
「あ、あべく…」
「落ち着け。もうすぐ救急車が来るからあんまり動かすんじゃねぇぞ」

父にすがりついたままの私を引き剥がそうとする隆也に、私は必死で抵抗した。嫌だ、絶対に離れない。



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