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 ▼期末テスト

※阿部と双子設定(阿部が兄)



「げ、今日から期末返ってくんじゃん」

朝練が終わり、教室に入ってきた隆也は席に座るなり顔を歪めた。それに便乗するように水谷君もため息を洩らした。

「何?自信ないの?」

私は前の席からくるりと後ろを向いた。ニヤリとしたら、頭にチョップをくらってしまった。

「お前より点数が高い自信はある」
「何それ!隆也が自信あるのって数学だけじゃん」
「んなことねーよ。お前にだったら全部勝てるね」
「じゃあ、テスト返ってくる度見せ合いっこね。で、勝った教科が多い方が負けた方の今日のデザート貰えるってことで」
「おーいいぜ」

ということで、デザートのアイスをかけた戦いが始まった。


一教科目は古典。先生から解答用紙を受け取った私達は、席に着いたと同時に点数を見せ合った。

「……げ、」
「ふふん、どうよ」

苦い顔の隆也に私は笑みを零した。
ちなみに点数は私が80点、隆也が76点。少しの差だけど、勝ちは勝ち。

「まずは一勝ね」
「次の時間数学だからそれであいこだ!」
「わかんないよ?」

「おー、阿部、どうだった?」

先程の話を聞いていた花井君が私達の元へやってきた。

「「どっち」」

「……妹の方」
「あ、私が勝ったよ。4点差!」
「お、よかったな。だけど次数学だぞ?大丈夫か?」
「多分へーき」
「おい、花井。俺の応援は無しかよ」
「あはは、阿部も頑張れー」


そして次の数学。

「ぷっ、くくっ…お前何その点数!」
「うるさいよ」

先程とは打って変わって楽しそうな隆也。私は眉間にシワを寄せて解答用紙を睨む。そこに書き込まれた点数は63点。隆也は92点だった。

「おま、自信あるんじゃなかったのかよ」
「くっ……隆也のばーか」
「…のやろ」



このあと、体育や芸術の授業があって、午後の授業に入った。今日テストが返ってくるのはあとこの授業だけだ。
三教科目は、理科。

「はい、せーの」

ピラッと解答用紙を捲る。点数は、私が72点。隆也が、74点だった。

「はい、俺の勝ちー」
「あああ…アイスが…」
「ま、明日もあるし、頑張れば」
「ふん、明日は国語と英語二つと日本史だもんね。絶対勝つ!」


私がそう意気込んでいると、またまた花井君がやってきた。

「どーだった、阿部」
「「だからどっち」」

「……妹」

「今日は隆也が勝ちー…」
「そうか…残念だったな」
「いいよ、明日勝つから」
「頑張れー」
「ありがとう」

「だから俺の応援は」



こんな感じの期末返却一日目、でした。


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